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人事評価制度で残業削減?!その意外な方法とは?

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「働き方改革で残業を減らしたい」と思っている社長さんは多いのではないでしょうか。ですがそれには「残業を減らすと生産性も下がってしまうのではないか」という心配も必ずついて回ります。実は、生産性を確保しながら、いやむしろアップしながら、残業を減らす方法があります。それは人事評価制度を導入し、従業員の方の仕事の棚卸を行い、ムリ・ムダ・ムラをなくすのです。今回は、その方法をご紹介しますね!

そもそも人事評価制度ってどんな仕組み?

「人事評価制度」という名前はよく聞きますが、具体的にどういった仕組みなのでしょうか。

人事評価制度とは、会社の経営目標を達成するため、人材育成を行いながら社員を評価、育成する仕組みのことです。一般的には、こうした人事評価制度は、賃金制度や昇進などの制度と連動しております。ですので、評価で高得点を得られれば賃金アップ、といったことなどが行われるのが普通です。

ただ今回は賃金などのお話ではなく、残業を減らしながら生産性をアップさせることに絞って、お話を進めていきましょう。

ポイントとなるのは、「評価項目」と「時間」を連動させることです。分かりやすく、営業事務職員の方を例にとってご説明します。

評価項目【見積作成】
A:営業マンの指示で自分一人で見積作成ができる。
B:見積作成はできるが、営業マンへ提出する前にチェックを要する
C:下書きの作成を行うことができる

通常は、上記の項目に対し、従業員の方がどの項目に当てはまるのかを上司の方が評価します。

ここで大事なことは、「見積作成という業務がどれだけの時間を要しているのかを把握すること」です。

評価が「A」であれば、その業務を終了させるために1時間かかっているのか、2時間かかっているのかを、さらに踏み込んで「可視化」することで、ムリ・ムダ・ムラをあぶりだし、生産性向上の糸口を見出します。

一口に見積作成といっても、その内容によって難易度は異なることでしょう。その難易度を極力下げるために、どのような工夫を凝らせば作成時間を短縮することができるのか、また、誰でも作成することができるためには何の要素が必要なのかを見つけるのです。

それが分かれば、仕事を分担することで、従業員の方の負担を減らすことができるようになります。

「残業を減らすことは給料ダウンではない」ことを分かってもらう

「残業を減らしたくない!これは私の仕事です!」と抵抗される従業員の方がおられるのも事実です。

残業代が通常の生活費にすでに組み込まれており、今の生活を維持するために残業をしている方にとっては、残業が減ることは死活問題につながります。そのような方がおられると、会社全体で残業を減らす取り組みをしていてもうまくいきません。

ではどうすれば良いのか。当然、売上を下げずに残業を減らすことができれば、今まで支払っていた残業代は利益として残るはずです。その利益は従業員の方に還元するということを、きちんと説明するとよいでしょう。

その前提として、会社の経営状態を従業員の方にオープンにすることが必要ですが、この際、従業員の方に不安感を抱かせ過ぎないようにしたいところです。

また、もう一つ心に留めておきたいことは、人事評価制度の導入は、必ず、社員教育とセットになっているということです。

前述した見積作成の例で言えば、「C」ランクの方を「B」ランクに上げるといったスキルアップを図り、従業員の方の業務レベルの底上げを行うことで、結果的に業務の効率化が実現します。

人事評価制度の導入について、もしご不安であれば、人事労務のプロである社会保険労務士にご相談ください!

社会保険労務士有資格者
山口善広

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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