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ストレスチェック制度が12月1日施行。実施すべきは「義務化に対応する取り組み」!?

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「労働安全衛生法の一部を改正する法律」が、平成26年6月25日に公布され、職場のメンタルヘルス対策に関しては、メンタルヘルス対策の充実・強化等を目的として、従業員数50人以上の全ての事業場にストレスチェックの実施を義務付けられることになった。施行期日は、約3ヶ月後の平成27年12月1日と迫っているが、各企業はどう対応するのだろうか。

従来から「ストレスチェック」を実施している企業は3割弱

HR総研にて、2015年2月に「ストレスチェック実施状況」を調査したところ、「実施している」と回答した企業は、全体で28%に留まっている現状が分かった。企業規模別による実施率は、大企業(1001名以上)で48%、中堅企業(301~1000名)で35%、51名以上の中小企業で17%(義務化の対象外となる50名以下では19%)である。「実施している」との回答には「好きなときに診断できるよう関連ホームページを案内して各自で実施している」との回答も22%を占めており、「定期的な実施」と言えないケースも含まれている。
このデータから、法制化をきっかけに多くの企業が、短期間にメンタルヘルスに対する取り組み方を見直す必要性に迫られていることが分かるが、このような状況下においては、ともすれば「メンタルヘルス向上に対する取り組み」でなく、「義務化に対応する取り組み」を推進してしまう企業も出てくることを懸念せざるを得ない。

あなたの会社はどうだろうか。

ストレスチェック実施に向けた課題は「社員に対する実施理由の説明」

「ストレスチェック」を実施する上での課題という問いに対する最多回答は「診断後のフォロー」68%となった。12月施行の法改正によって「(高ストレス者として面接指導が必要と評価された労働者から申出があったときの)面談指導の実施」は義務化され、「集団分析の実施、及び職場環境の改善」も努力義務になることもあり、多くの企業では、今まで以上の対応を求められることになるだろう。

しかし、それ以前にまず「ストレスチェック義務化」に向けて、注目すべきは「社員に対する実施理由の説明」を課題とする企業が36%にのぼることだ。

厚生労働省は、ストレスチェックの結果を本人同意がない限り事業者が入手してはならないとし、ストレスチェックを受けないこと、事業者へのストレスチェックの結果の提供に同意しないこと、高ストレス者として面接指導が必要と評価されたにもかかわらず面接指導を申し出ないことを理由とした不利益な取扱いや、面接指導の結果を理由とした解雇、雇止め、退職勧奨、不当な配転・職位変更等も行ってはいけないと定める予定ではある。しかしながら、個々の従業員の「ストレスチェック結果による事業者からの不当な扱いを懸念する」感情は、「法制度で認められないから」の一言で拭い去れるものではないことは、想像に難くない。

「社員が心身健康に、健全にパフォーマンスを発揮できる」状態は、経営者にとってももちろんだが、まず第一に従業員本人にとって望ましい状態であろう。単に「法改正に伴い、実施を義務化する」ことを目するのではなく、経営は、管理部門を中心とした各部門と密に連携の上、「義務化対応」の先にある、労働者のメンタルヘルスケアの総合的な取組を推進することを求められるであろう。

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ProFuture株式会社内に設立された調査・研究機関です。人事が変革のエージェントになるためのサポートをミッションとし、企業・団体のHR領域に関する調査・研究を行っています。

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