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シャープの大幅減資は意味があったのか ~経営の迷走が増幅する不信感~

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本当の狙いは新規の資金調達

それよりも、今回の大幅減資の本来の目的は、債務超過寸前で企業価値実質ゼロに近い実態に自己資本を合わせることであり、今後の再建のために新たな投資を受けやすくすることだとこの記事は指摘する。現にこの再建策では、新たに発行される優先株を主要取引銀行二行と投資会社が引き受けるかたちで2250億円調達する計画が盛り込まれている。つまり新規の資金で出直しをはかるために、既存の株式の価値を実質的にゼロに近づけ、新株発行と大幅減資がセットになっているのだ。
ただし、この新規に調達される資金も、そのうち2000億円は借り入れ返済にあてられるので、当面の必要に迫られてのこととはいえ、再建に向けたポジティブな動きに直接つながるわけではない。

吉本興業も125億円から1億円に減資

7月に吉本興業が資本金を約125億円から1億円に減資することが伝えられたときも、シャープと同様の批判が寄せられた。これに対し、同社は「取り崩した資本金を中長期的な投資に回すための財務戦略で、優遇税制が一番の目的ではない」と反論した。
吉本興業は3月末に利益剰余金が約140億円のマイナスとなったことから、資本金を約124億円取り崩して資本準備金に回し、財務体質の改善をはかるという。たしかにこれは経営難に陥った企業が撮り得る選択肢のひとつではあるのだが、事業の元手を取り崩すことがはたして健全な財務体質・経営基盤の強化につながるのかどうか疑問が残る。

主力事業の社外分社化をめぐる迷走

そんな中、シャープにまた新たな不安材料が垣間見えだした。液晶事業の社外分社化をめぐる迷走だ。
ビジネス情報サイト「ITmediaビジネスONLiNE」8月11日掲載の記事「シャープの再建策、速くも漂流か−−−−高橋社長が液晶分社化で”豹変”【産経新聞】によると、液晶事業は財務基盤の強化や外部から資金調達がしやすい環境を整備するため、5月の経営再建策でも社外分社化が検討されていたという。しかし、再建策発表の直前になってシャープは中期経営計画から除外した。「売上の3分の1を占める主力事業を分社化したら中期経営計画が成り立たない」というのがシャープの主張だった。
ところが、7月31日の4—6月期連結決算を発表した会見で高橋興三社長は「数字は死守していくが、重点戦略の中の小項目はいろいろ動いていく。こだわる必要はない」と、方針転換に含みを持たせる発言をしたのだ。

《次ページに続きます》

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