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社員は会社を見ている

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 厚生労働省によると、有効求人倍率が1.49倍(平成29年5月)に達したとのことだ。これは、過去に最も高いとされたバブル経済期の1.46倍(平成2年7月)を超えている。その一方で、中小企業基盤整備機構が平成29年3月に実施した調査によれば、7割以上の中小企業において人手不足を感じているとの結果が出ている(人手不足に関する中小企業への影響と対応状況)。人手不足感は、時間経過とともに増していると言わざるを得ない。これらと相まって、育児・介護問題もより一層深刻な状況に陥ることが予測される。仕事の担い手が減少している以上、これまで“どうにかなってきた”ことも、“どうにもならない”事態が目前に迫りつつある。だからこそ、来たる時に備え、これらの変化に対応できる職場環境作りを今のうちから整備する必要がある。黙っているが、社員達はしっかりと見ているからだ。

休業取得の実際

 育児・介護休業取得実績のある会社であればともかくとして、中小企業(特に少人数規模の会社)では、これらの実績がまだないという会社も多い。実績ゼロの理由は様々だが、例えば、社員が育児・介護と就労の両立は無理だろうなと会社の意向を忖度して自ら退職するケース。出産や介護の相談を持ちかけたら、会社からパート社員等への契約変更、あるいは一旦退職を求められ、これに応じたケース等が考えられる。もちろん、これらは男女雇用機会均等法や育児・介護休業法で禁止されている不利益取扱いに該当するためアウトである。だが、法整備が進んだ現在においても、中小企業では珍しいことではない(中小企業が皆そうだと述べている訳ではないので、念のため誤解のないようここで断っておきたい)。

黙って、でも確実に社員は見ている

 働き方の制約を受けざるを得ない社員が実際に出てきたとき、周りの社員達は、会社がどう対応するのか?その行く末を自身に置き換える形でまじまじと見ている。生活の源泉である場所だけに、自身に不測事態が生じた時、会社は自分達とどう向き合ってくれるのかを見届けることは当然と言えば当然の行動と言えよう。

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