
以前、とある会社を訪れた時に管理職の方(以下、A氏)からこんな質問を受けた。部下を褒めることが大事だと言われたので早速実践したと言う。ところが、部下を怒らせてしまい悩んでいるとのことだった。このA氏からすれば、部下が喜んでくれるだろうと思って発した言葉が思わぬ方向へ進んだものだから戸惑ったのだろう。そこで本稿では、これを題材に“褒める”ということについて考えてみたい。
褒めることへの礼賛
ハラスメント絡みの世間の認識や法整備が進み、企業では怒鳴る・厳しく叱責するような指導はご法度である。加えて、若い世代の指導・育成でこんなことをしたら、付いてこないばかりか、辞めてしまうだろう。だからだろうか。いつしか“褒めて伸ばす”という指導・育成方法が礼賛され脚光を浴びるようになった。
ここで、誤解のないよう断っておくと、筆者は“褒める”ことを否定している訳ではない。大切な指導・育成方法の一つだと思う。なぜなら、褒めることは、相手を肯定することである。うまく機能すれば、褒められた相手方は、やる気が出たり、自信に繋がったりするからだ。とはいえ、“相手を褒める”という行為は、簡単なようで実は奥が深く、難しいものである。以下で詳しくみていこう。
ここで、誤解のないよう断っておくと、筆者は“褒める”ことを否定している訳ではない。大切な指導・育成方法の一つだと思う。なぜなら、褒めることは、相手を肯定することである。うまく機能すれば、褒められた相手方は、やる気が出たり、自信に繋がったりするからだ。とはいえ、“相手を褒める”という行為は、簡単なようで実は奥が深く、難しいものである。以下で詳しくみていこう。
褒める時は、より具体的に!
では、冒頭のA氏は、なぜ部下を怒らせてしまったのだろうか。それは、褒めたつもりが、部下からすると馬鹿にされたと感じたからである。その発した言葉とは「最近調子いいね!頑張ってるよね!!」である。一見すると、これの何がいけないの?と思うだろう。ところが、部下から言わせると、“何が・何を”が抜けているから、小馬鹿にされたように感じたというのだ。
筆者は、これは当たり前すぎて見失いやすい点だと考える。「部下の指導・育成」=「褒める」ということがマニュアル化された弊害だと感じるからだ。褒めて伸ばすことは管理職であれば誰しもが持っておきたい大切な視点である。しかし、ただ褒めれば良いというものではない。ただ褒める、とりあえず褒めるという行為は、形の上で褒めているに過ぎず、内容が曖昧となりやすい。だから、言われた側からすると、何が?となってしまう訳だ。
こうならないためには、より具体的にポイントを絞って褒めた方が良い。例えば、「前回まで〇〇が理解できていなかったが、今回は〇〇ができるようになったことはもとより、××まで目が行き届くようになって素晴らしいと思うよ!」といった具合だ。より具体的に的を絞って褒められた部下は、この人は自分のことをよく見てくれていると感じ、上司への信頼感も増すばかりか、自信ややる気へと繋がりやすい。
筆者は、これは当たり前すぎて見失いやすい点だと考える。「部下の指導・育成」=「褒める」ということがマニュアル化された弊害だと感じるからだ。褒めて伸ばすことは管理職であれば誰しもが持っておきたい大切な視点である。しかし、ただ褒めれば良いというものではない。ただ褒める、とりあえず褒めるという行為は、形の上で褒めているに過ぎず、内容が曖昧となりやすい。だから、言われた側からすると、何が?となってしまう訳だ。
こうならないためには、より具体的にポイントを絞って褒めた方が良い。例えば、「前回まで〇〇が理解できていなかったが、今回は〇〇ができるようになったことはもとより、××まで目が行き届くようになって素晴らしいと思うよ!」といった具合だ。より具体的に的を絞って褒められた部下は、この人は自分のことをよく見てくれていると感じ、上司への信頼感も増すばかりか、自信ややる気へと繋がりやすい。
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