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アパレル業界の新たな潮流 月額制ファッションレンタルサービス

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プロのスタイリストの無料コーディネートで服をレンタル

プロのスタイリストの無料コーディネートで服をレンタル

今年6月、アパレル名門のワールドが大量閉店に踏み切るとのニュースが紙面を飾った。ファストファッションの隆盛で百貨店を販売基盤にしてきたアパレルメーカーはいずれも苦戦している。だからと言って、消費者のおしゃれをしたい、上質のものを身に付けたいというニーズが消えたわけではない。特に女性には「いつも同じ服を着ている」と思われたくない気持ちがある。ましてフェイスブックなどSNSで写真を公開することが増えた昨今、できるだけ服のバリエーションは増やしたい。しかし1度か2度袖を通しただけでクローゼットに眠らせておくのも不経済だ。
 
 そうした悩みを解決してくれるのが、服やネクタイ、バッグなどの月額レンタルサービスだ。これまでレンタルと言えば結婚式やパーティなどハレの日の盛装が主な商材だったが、この1~2年、普段の洋服やネクタイ、バッグなどの小物など、様々な商材を扱うサービスが日米ともに次々と立ち上がっている。

 レディース向けの月額制ファッションレンタルサービスとしては、「air Closet(エアークローゼット)」「Licie(リシェ)」「SUSTINA(サスティナ)」がある。2015年2月5日からサービスを開始したair Closet(エアークローゼット)は、自分の好みや服のサイズを登録すると、プロのスタイリストが選んだトップスやパンツ、スカート、ワンピースなど洋服3点が届く仕組みだ。服を返却後、スタイリスト宛に感想を伝えることで、次に届く服を自分の好みに調整していくことができる。取扱いブランドは非公開だが、百貨店や駅ビルなどに出店している「ミドルブランド」と言われるものが中心で、商品単価は数千円から3万円程度。それが月額6800円+税でレンタルすることができる。
 
 Licie(リシェ)は東京・表参道に今年6月オープンした実店舗を利用して月額制ファッションレンタルサービスを展開している。実際にレンタルする服を見て選べるのが魅力で、プロのスタイリストの無料コーディネートも受けられる。レンタル期限は最長1週間と短いが、料金はトライアルが月額500円で1点、ベーシックが月額1000円で3点、プレミアムが月額3000円で10点までと他社より安いのがメリットだ。レンタル可能なアイテムを使ったコーディネートはインスタグラムで公開している。

 2015年3月にスタートしたSUSTINA(サスティナ)は、服、バッグ、アクセサリーのレンタル、買い取り、販売を手掛ける総合ファッションレンタルサービスで、不要になったアイテムは買い取りも行なっているのが特徴だ。月額5,800円+税で1回あたり5点までレンタルでき、返却すると新しく5点がレンタル可能。月に何度でもレンタルできる。送料・クリーニング代金は無料で、いつでも好きな時に借りて返せる。

赤ちゃんのブランド服やブランドネクタイのレンタルも

変わり種としては、「ベビレン.com」という赤ちゃんブランド服のレンタルサービスがある。月額2980円の6着コースと3800円の10着コースがある。対象年齢は0~3歳に限定している。この期間の子供は成長が早く、すぐに洋服のサイズが合わなくなってしまうので、「1シーズンのために高価なブランド服は買えない」というニーズに応えている。

 一方、フレッシュネックジャパンは、米国生まれのネクタイの定額レンタルサービスだ。エルメスやグッチなどのブランドネクタイを中心に、カフスやチーフなどビジネス小物1000アイテムを提供している。料金は月額3800円と5900円の2種類で、各々利用できるブランドのランクが違う。3800円はカルバンクラインやセオリーなど、5900円はグッチやエルメスなどのラグジュアリーブランドがレンタルできる。月額料金には送料・クリーニング代も含まれる。

 お客は会員登録後、「マイクローゼット」と呼ばれるお気に入りページに気に入ったアイテムをセレクトし、ランク付けする。商品は何点で登録でき、変更も可能。その中から上位3点が随時手元に届く。レンタル期間は無期限で、月何回でも交換可能だ。
 同サービスは2012年にアメリカで生まれた。創業者はニューヨークの弁護士で、仲間内でネクタイを交換しあっていたことにヒントを得て起業した。

アメリカの代表サイト「LE TOTE」と「Stitch Fix」

アメリカはレンタルでも日本より進んでおり、レディースの代表的なサイトに「LE TOTE」がある。同社はレンタルサービスを「バーチャルクローゼット」と位置づけており、DVDやCDのように、「購入はせず、必要な時にのみ取り寄せる」というライフスタイルを啓蒙している。

 同社の調査によれば、現代の女性は、1980年代と比べて4倍の服を購入しているが、頻繁に着ているのは、クローゼットにある服の約15%に過ぎない。残り85%の服は、1度か2度着ただけで眠ってしまうため、潜在的なレンタル需要が大きいと見込んでいる。

 レンタルではないが、同じくアメリカの「Stitch Fix」では、先払い20ドルで、プロのスタイリストがコーディネートした服やアクセサリーを合計5点送ってもらい、自宅で試着して気に入ったら購入、気に入らなければ返却できるサービスを提供している。洋服の価格は平均$68程度で、5点すべてとも購入した場合は25%オフになる。商品が届いて3日以内に、商品を買うか、返品するか選択し、返品の場合は全ての商品のフィードバックが義務づけられている。サイズが大きめ、値段は高め、デザインが気に入らないなど、コメントを添えれば、次回はそれを踏まえたコーディネートが受けられる。

 両社ともに、自社の会員顧客に対して、届いた服を着た写真をSNSに投稿して、友達からの感想を聞くことを推奨し、反響をデータとして収集・分析することで、流行のトレンドを検証し、新作商品や仕入れに活かしている。

《次ページに続きます》

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