アジャイル

　「アジャイル」はそもそも「俊敏な」「すばやい」という意味だ。
　ソフトウェアの開発においては、要求仕様の変更などに対して、機敏かつ柔軟に対応するためのソフトウェア開発手法を指す。

　プログラミング開発では従来は、緻密に設計を行った後、プログラミング開発を行い、試験工程へと進行する「ウォーターフォールモデル」と呼ばれる手法が主流だった。しかしこの手法では工程の途中段階における仕様変更や修正が難しい。技術革新やビジネス環境の変化が著しい昨今では、「ウォーターフォール」では対応しきれなくなってきた。

　一方、「アジャイル」ではまず、仕様や設計の変更があることを前提に、変化の余地を残した、言ってみれば、「ゆるやかな」設計を行う。開発の過程で新たな要求事項が発生したら、それらを柔軟に反映したり新たな提案を行い、すり合わせや検証を重ねていくというアプローチをとるのだ。一度ですべてを作らずに細分化された各工程を反復しながら完成に近づけていくことで、結果的にはスピーディに完成させることができる。

　いうまでもなく「アジャイル」手法を実施するうえでは、チームワークや臨機応変な対応が必要となる。人材活用という点から言っても、ウォーターフォールモデルで必要とされるものとは異なる資質が求められる。
　プログラマーというと、ラボにこもり一人でコツコツ取り組むイメージがある。
　しかし昨今のプログラミング開発においては、コミュニケーション能力、チームのムードメーカーとしての特性、開発内容やプロジェクト全体に関するプレゼン力、取引の場における駆け引きや交渉力…といった人間力も重視されてきている。