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認知行動療法

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 自分の思い込みで、友達から嫌われているとか、低く見られている…と感じることは、多くの人に経験があるだろう。ただ大抵は、コミュニケーションを通じて単なる誤解だったことを知り、それまで悶々と悩んでいたことは嘘のように晴れるものだ。

 しかし、思い込みや、自身が生来持ち合わせている考え方のクセが高じて悩みを通り越し、うつ状態になってしまう人もいる。

 認知行動療法とは、そうした考え方の「クセ」やものごとの捉え方といった「認知のパターン」を解明して違う視点やとらえ方があることに気づくきっかけをつくり、思考に柔軟性を持たせて抑うつ感や不安感の改善を図ることを目的とした心理療法の一種だ。

 組織内においては、昇進や異動、上司、同僚、後輩との人間関係への悩みをきっかけに悩みを抱えたり、うつ状態になる従業員がいる。認知行動療法ではこうした社員に対し「ものごとの受け止め方を変える」アプローチによって、極端な考え方を、適切な考え方へと変容させ、心理面の改善につなげる。

 治療では、問題を「認知」、「感情」、「行動」の33つに分けて考え、問題が起きたときの状況や態度、どんな感情がわいたか、そのとき考えたこと、考えた根拠などを書き出す。その後、実際の状況はどうだったのか、自身のなかに「認知の偏り」はないか、他に違う視点がないかなどについてカウンセラーなどと一緒に考えていく。面談形式で行うほかグループ療法として行っても効果がある。

 認知行動療法の手法は、職業支援の現場におけるキャリア・カウンセリングでも効果を発揮する。例えば、ステップアップを目指した転職か、現状にとどまるかといった選択肢があるケース。相談者が、想定できる障壁や失敗したときのリスクを心配し過ぎてしまう場合は、メリットとデメリットをリストアップし、適正な判断が出来るよう支援する。
職場では、ストレスマネジメントに活用することもできる。事例をもとに受けとめ方を話し合うグループワークを通し、自身の思考の偏りに気づくきっかけを作ったり、社内報などに、セルフチェックシートを掲載しセルフ・モニタリングを行う方法などがある。

 認知行動療法は現代社会において、個人の適正なキャリアアップや心の健康維持、事業体においては健全な職場環境作りに役立つ、ツールの一つといえるだろう。

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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