マーケティング3.0

　マーケティング1.0が工場から大量に生み出される製品を市場に売り込む「製品中心のマーケティング」、マーケティング2.0が情報技術とインターネットがコアテクノロジーになった時代に登場した「消費者志向のマーケティング」なら、マーケティング3.0は「SNSの発達」「社会的課題」「市場の成熟」という3つの要因をもとに生み出された「価値主導のマーケティング」である。

　消費者の多くがツイッター、フェイスブックなどのSNSを利用するようになり、製品やサービス、企業の情報や口コミがネット上にあふれている。情報にはポジティブなものからネガティブなものまであるが、それらが瞬く間に世界に広がってしまう時代だ。そのため、企業はそのような情報が消費行動に影響を及ぼす可能性を考慮せずにマーケティングを行うことが難しくなっている。また、地球温暖化や国内外の貧困・難民問題、少子高齢化の進展などは消費者の価値観や精神にも少なからず影響を与えており、環境保護や社会貢献に結びつく消費に関心を持つ消費者が増えている。３つめの市場の成熟だが、先進国では既に大半の消費者が生活必要品を手にしているため、購買意欲を喚起するストーリーづくり、イメージやブランドレベルでの差別化が求められている。