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ゲーム理論

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商談、スポーツ、外交、子育てなど、いまよりもっと「かけひき」がうまくなれば人生で成功する確率は格段に高まる。そのためには、状況を論理的に分析し、相手の手を読み、最善の選択をする必要がある。

この論理的に考える方法を学ぶことができるのがゲーム理論だ。

ゲーム理論とは、複数の利害関係者が意思決定する状況において、意志決定者の行動を他の意思決定者の行動との関連で数学的にとらえる理論である。アメリカの数学者ジョン・フォンノイマンと経済学者オスカー・モルゲンシュテルンが1944年に共著で出版した『ゲームの理論と経済行動』により考案された。

その理論を革命的に進展させたのが「ナッシュ均衡」で知られるジョン・ナッシュである。ナッシュはその功績により1994年にノーベル経済学賞を受賞した。彼の人生をもとにラッセル・クロウ主演の映画『ビューティフル・マインド』が制作され、アカデミー賞の候補作品となったことで、ゲーム理論は一般に広く知られることになった。

ゲーム理論は何種類にも分類できる。勝ち負けで利害が完全に対立する「ゼロサムゲーム」とそうでない「非ゼロサムゲーム」。プレーヤーが独自に意思決定を行う「非協力ゲーム」とプレーヤー間で戦略決定のための話し合いと拘束力のある合意が可能となる「協力ゲーム」。さらに「非協力ゲーム」はプレーヤー全員がゲームの規則を知っている「情報完備ゲーム」と、そうでない「情報不完備ゲーム」に分けられる。

また、一回きりの意思決定を扱うものを「短期間ゲーム」、複数繰り返されるものを「複数期間ゲーム」。複数のプレーヤーによって同時に意思決定されるものを「同時進行ゲーム」、交互に意思決定されるものを「交互進行ゲーム」という。

「同時進行ゲーム」の有名な例に「囚人のジレンマ」がある。これは個々人にとっての最適な選択が、全体として最適とはならない状況の例としてよくあげられるケースである。

協力して盗みをはたらいた二人組が窃盗容疑で逮捕された。しかし証拠がつかめないので、自白を引き出すために警官は二人を別々に監禁してこう言った。
「もし相方の罪を証言すれば相方は懲役5年の罪にするが、お前は懲役1年にしてやる。逆も同じだ」 「だが、二人とも証言したらお前達二人とも懲役3年だ」「もし、二人とも黙秘したら二人とも懲役2年だ」
        
二人は別々に監禁されているため相談が出来ない。最も利得を得るのは自分だけ証言して懲役1年になることだが、もし相方も証言していたら懲役3年になってしまう。それならお互いに黙秘して2年の方がいい。ところが、「相手が裏切るかも」という不安によって、お互いが「自白する」という望まない結果を選んでしまうことが多々ある。これが「囚人のジレンマ」だ。

「囚人のジレンマ」のような状況はビジネスでもよく起こる。例えば同じエリアに牛丼専門店Y屋とM屋が出店して場合、①両社ともに価格を据え置く、②どちらか1社だけ値下げする、③両社とも値下げする、という3つの選択肢がある。値下げした方が利益が上がる場合、利得を得ようとしてどちらも値下げに踏み切ると、結局は値下げ合戦になってしまい、両社損の状態に陥ってしまうのだ。

日本人は国際的にかけひきが下手な国民と言われている。ゲーム理論は種類によって戦略も異なり、多数のケースがあるし、書籍も多数出版されている。ビジネスに役立つゲーム理論を身につけて、ここぞという時に有利な交渉にもちこみたいものだ。

参考文献:
『通勤大学 MBA10 ゲーム理論』グローバルタスクフォース㈱著、通勤大学文庫

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 経営プロ編集部

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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