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特別読み切り

世界の投資マネーが集まる東アフリカ・ケニアへの参入成功の鍵とは

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多様な文化への理解と世界での競争の知識が必須

 多くの事業において、詳細な情報やソフィスティケイトされた情報を得られる機会は限られており、デューディリジェンスはチャレンジングです。意思決定は全ての情報がそろう前にしなければならない場合があります。

 東アフリカの各国は、その成り立ちや国境、植民地時代など多くの共通点がありますが、文化は様々です。各々の国は異なる経験をし、これらはビジネスに対するアプローチや、海外からの投資家や事業パートナーに対する対応に影響を与えています。例えば、タンザニアは資本主義国であると考えられていますが、社会主義的なルールも考慮して参入することが重要です。過去のウガンダの独裁政権、ケニアやルワンダの民族的対立これらは全て現地の人々の現在の習慣に影響を与えています。アフリカを統一された文化を共有している地域であるとみなすことは過ちです。
東アフリカの人々は、世界のトレンドや地域を取り巻く環境について非常に多くの知識を持っています。東アフリカ及び世界での競争についての知識は、現地では必須です。

 海外企業の共通の過ちは現地の市場に、現地のパートナーなしで独力で参入しようとすることです。適切なパートナーを持つことは市場参入のスピードを速め、何より重要なことはリスクを大幅に減らすことです。多くの適切なパートナーは現地で同族経営をしています。散見される過ちとしては現地の同族企業との関係構築のために、適切な紹介者なしで連絡を入れることです。たいていの場合、反応がないか、反応があっても意味のある有効な関係を築くことは困難です。現地の企業から信頼されているアドバイザーを使うことが重要であり、単独での現地企業との接触は、最初から相手を懐疑的にさせ、推奨できません。

日本企業から派遣される人材の要件とは

 不慣れな文化圏での事業をすることは、一つのチャレンジです。日本の企業はスタッフを現地に送る場合、言語の問題も含め多くの考慮すべき点があります。東アフリカでは英語のスキルが大変重要です。

 アフリカに派遣される人材は文化の違いに敏感で、文化に興味を持っている人物が理想的です。現地の文化を重んじ、理解することで事業を成功させることができます。また、起業家精神を理解することも重要です。現地では多くのビジネスは創業者一族によって支配されている同族企業です。創業者一族の思考を十分理解することは、彼らとうまく付き合うためには不可欠です。

現地の会社との良好な関係を築くために必要な能力は以下です。
1.接触すべき適切な企業を見分ける能力
2.それらの企業から信用を得られる接触手段をもつ能力
3.それらの企業の属する文化を理解し習慣に則ったコミュニケ―ションをとる能力

 これらの重要さを認識し、良いアドバイザーを見つけることが非常に重要です。

成功の鍵は現地化とコミュニケーション

 東アフリカで成功している海外の企業は現地化を優先している企業です。現地化は経営陣、株主、製品及びサービス、現地の事業執行チームの組成等において行われます。国外の本社で策定した戦略を単に現地で遂行させるのではなく、現地のチームに現地での戦略策定に参加させることが重要です。現地の人間を戦略策定や意思決定に参加させることにより、海外企業は東アフリカでの信用を得ることができます。コミュニケーションが東アフリカでの成功の鍵です。また、現地の人々は現地の市場に精通しており、彼ら自身で課題の解決策を見つけることにこだわります。

 東アフリカで事業をする上での関係性を築くためには、現地の人々と個人的関係を築き、適切な呼称を使用すること、挨拶で握手を欠かさないこと、最初のコンタクトでは形式的ではあるが儀礼を重んじることなど現地の習慣を理解し実行することが重要です。東アフリカは共存社会であり、お互いの幸福に気遣いをする社会です。したがって、挨拶の時にお互いの幸福を気遣う社交辞令を交わすことは重要です。また、いくつかの現地の言葉を習得することも役に立つと思います。ほとんどの東アフリカの国の文化では、愛国心、信頼、相手に対する忠義は高く評価されます。批判など、否定的なことは、人目につかないように個人的に行われ、公に非難することは良くないことです。これらのことは基本的なことですが、個人、会社、さらには政府との関係でも適用されます。

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プロフィール

メグラジュグループ 副会長 ビノイ・メグラジュ 氏

メグラジュグループ 副会長 ビノイ・メグラジュ 氏

東京に8年間駐在し、多くの日本企業にクロスボーダーのM&A、事業提携のアドバイスをした経験を有している。日本企業の文化を深く理解しており、日本企業が新興市場で如何に事業を確立するかについて深い造詣を持つ。現在も多くの日本企業に東アフリカをはじめ新興市場への参入についてアドバイスをしている。
メグラジュグループは本社をロンドンに置く国際的な投資銀行・信託銀行。不動産やインフラストラクチャーのコンサルティングも手掛ける。グループはビノイ・メグラジュ氏の祖父であるM.P.シャー氏が1922年にケニアで設立。ヨーロッパ、アフリカ、アジアの12ケ国で事業を展開し、2兆円のクライアントの資産を運用している。メグラジュグループは国際的なマインドセットと複数の文化における実践的な経験を有しており、他社にない能力で日本、東アフリカ、インド、イギリス、中東等の市場間の事業をアドバイスしている。
Meghraj Group website(http://www.meghraj.com/)
メグラジュグループ 日本代表 今村 創造(〒150-6018 東京都渋谷区恵比寿4-20-3 恵比寿ガーデンプレイスタワー18階 Tel: 03-5789-5731 Email: sozo.imamura@meghraj.com)

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