経営・ビジネスの課題解決メディア「経営プロ」

特別読み切り

世界の投資マネーが集まる東アフリカ・ケニアへの参入成功の鍵とは

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

東アフリカ参入の成功事例と失敗事例

 東アフリカで成功している顕著な例としてはボーダフォンがあります。
 同社はSafaricomを買収し、東アフリカで最大の通信業者となり、大きな収益を上げています。同社の成功は現地の人々の習慣や嗜好を理解することによります。同社は現地の市場のニーズに合致したモバイルペイメント(携帯電話による支払)事業を手掛けており、これにより金融取引が大変容易になりました。現地企業であるSafaricomのイメージを活用し、現地の市場に適合したサービスを提供しているのです。
 ディアジオもまた東アフリカで最大の現地のビール会社のM&Aを行い成功している企業です。これらの成功は、現地で事業を確立している企業の買収の成功が鍵となっています。これらの買収によって自らを「地場の企業」としてポジショニングし、地場のブランド、製品、流通、人脈等を得て、リスクを軽減し市場への浸透を加速させています。しかしながら、多国籍企業においても東アフリカでの事業で、しばしば失敗が見受けられます。他のアフリカの地域で成功している、South African Breweries, Shoprite, Stuttaford、Metroなどの南アフリカの企業であっても、ケニアでは現地の文化への適合を誤り、失敗しています。Barclays、Standard Chartered 、Ecobankのような国際的な金融機関であっても、グローバルに標準化された製品やサービスをそのまま現地に投入し、現地の金融機関との競争において困難を経験しています。

トヨタグループは文化的融合戦略により東アフリカで成功

 日系企業は、東アフリカと長期のつながりを築いています。東アフリカの文化を重んじ、日本の文化と融合させるような戦略をとっているトヨタグループのトヨタ自動車、豊田通商は成功例の一つで、優れたサービスと信頼性の高い製品により強力なブランドを構築しています。同社は現地で大変評判が高い人物を東アフリカにおける取締役会のチェアマンに据えています。また、アフリカで最大の自動車の販売企業であるCFAO Automotiveを買収したことも、現地の自動車業界での確固たる地位を構築した要因です。これらは、市場におけるトヨタグループの信用を高め、現地の政府、企業、消費者との良好な関係をサポートしています。同社は、現地のスタッフや現地政府と協力し、製品とサービスをどのようにアフリカの各々の市場で提供するかを決めています。

 東アフリカで事業をするには、現地の文化・風習を理解することが重要です。東アフリカでは海外から来た人々を歓迎しますが、現地とより結びつき、サポートされた形を好みます。この現地との結びつきは、資本及び事業の両方においてです。例えば、シニアエグゼキュティブのポジションに就く人物が自国民以外の場合もあまり抵抗がないアメリカの文化とは違い、企業の顔たるポジションに就く人物は現地の人間が好まれます。現地の人間は、より信頼され近づきやすい存在であり、現地の人間が代表を務める企業の製品はより信頼されます。したがって、現地人の代表、取締役、株主を持つことは現地で事業をするにおいて大変役に立ちます。

 東アフリカは、集団を重んじる文化であり、家族が社会の構造においても重要です。家族や、目上の人間を重んじることはアジアの文化との共通点です。現地で実際に事業行うには、これらの文化的特徴を考慮に入れることが重要ですが、日本の文化と相性が良い文化です。

 周囲との関係性や信頼は現地では重要です。信用できる人や企業の紹介が無い場合、現地の企業は外国企業に対して慎重で懐疑的になります。信用を得て、取引をするためには長い期間がかかります。したがって、現地で信用があるアドバイザーが非常に重要な役割を果たします。

 東アフリカでは、時間の感覚と物事の優先順位が他の地域とは異なります。時間的なコミットメントはしばしばプライオリティが低いことがありますが、失礼とも異常なことであるとも捉えられていません。しかしながら、現地では約束を破ることは受け入れられません。


《次ページに続きます》

お気に入りに登録

関連記事

会員登録 / ログイン

会員登録すると会員限定機能や各種特典がご利用いただけます。 新規会員登録

会員ログインの方はこちら