
日々の業務に熱心に取り組んでいるにもかかわらず、業績が芳しくない企業は決して少なくないだろう。このような状態に陥っている企業について、業務遂行の実態を注意深く観察すると、「緊急性の低い重要業務」を蔑ろにしているという特徴を持っている場合がある。今回は緊急性の低い重要業務の問題と行なうタイミングについて考察してみよう。
例:「目先の売上獲得」ばかりを指示するリーダー
まず具体例を交え、考えてみよう。
これは、実際に某企業(以下、A社)の営業部門で交わされたリーダーと部下との会話である。
とあるサービス業を営むA社が、競合他社に大口顧客を奪われてしまった。その結果、今期の売上は目標を大きく下回る見込みである。このような状況に営業部門のリーダーは、部下に対して次のように命じた。
「とにかく、どんな小さな売上でもいいから、1件でも多く取って来い!」
しかしながら、いくら営業活動に注力しても、売上の十分な回復には結び付かない。そこで、ある若手営業社員がリーダーに対して次のように進言した。
「単に現状の営業活動を継続して売上を集めるのではなく、お客様への付加価値を高められるように営業方針を見直してはどうでしょうか?」
この若手社員に対し、リーダーは次のように答えた。
「営業方針を見直して売上が上がる保証がどこにあるんだ。そんなことをしている暇があったら、とにかく当面の売上を増やせ!」
「とにかく、どんな小さな売上でもいいから、1件でも多く取って来い!」
しかしながら、いくら営業活動に注力しても、売上の十分な回復には結び付かない。そこで、ある若手営業社員がリーダーに対して次のように進言した。
「単に現状の営業活動を継続して売上を集めるのではなく、お客様への付加価値を高められるように営業方針を見直してはどうでしょうか?」
この若手社員に対し、リーダーは次のように答えた。
「営業方針を見直して売上が上がる保証がどこにあるんだ。そんなことをしている暇があったら、とにかく当面の売上を増やせ!」
これは、実際に某企業(以下、A社)の営業部門で交わされたリーダーと部下との会話である。
「緊急度」と「重要度」による業務の分類
企業が行なうべき多数の業務には、「緊急度」と「重要度」という2つの指標を用いて、次の4種類に整理をすることができる。
(1)「緊急度」「重要度」がともに高い業務
(2)「緊急度」は低く、「重要度」は高い業務
(3)「緊急度」は高く、「重要度」は低い業務
(4)「緊急度」「重要度」がともに低い業務
これは、アメリカの経営コンサルタントであるスティーブン・R・コヴィー氏が『7つの習慣』という書籍の中で紹介した「時間管理のマトリクス」という概念による分類である。図で見ると、次のとおりである。
(1)「緊急度」「重要度」がともに高い業務
(2)「緊急度」は低く、「重要度」は高い業務
(3)「緊急度」は高く、「重要度」は低い業務
(4)「緊急度」「重要度」がともに低い業務
これは、アメリカの経営コンサルタントであるスティーブン・R・コヴィー氏が『7つの習慣』という書籍の中で紹介した「時間管理のマトリクス」という概念による分類である。図で見ると、次のとおりである。

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