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特別読み切り

「労務コンプライアンス」にリーダー主導で取り組む必要性とは

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「労務コンプライアンスの実現」はリーダー主導で

ところで、自社の労務面の法令違反を発見・改善しようと考えた場合には、どうすればよいだろうか。もちろん、従業員による内部調査で法令違反を発見し、人事労務部門などの担当部門が改善に取り組む、という方法が考えられる。しかしながら、このような方法は必ずしも有効ではない。仮に、違法行為が発見できたとしても、法令違反を発見した従業員からの指摘に、担当部門が真摯に対応しない可能性もあるからである。

例えば、このような実例がある。ある時、本社の人事労務部門が、支店勤務の従業員から「厚生年金保険法違反」を指摘された。しかしながら、本社人事労務部門は「これがわが社のやり方だ!」と当該従業員からの違法性の指摘を一蹴し、対応しなかったという事例である。もちろん、従業員の主張が法律上、正しいケースである。

このように、内部からの違法性の指摘は、“社内力学”に負けやすいという特徴がある。その結果、法令違反の是正に至りづらいという事例を、筆者は数多く経験している。

そこで有効なのが、“外部から指摘を受ける仕組み”を採用することである。外部の専門家などから違法性を指摘されれば、「これがわが社のやり方だ!」というような詭弁が通用することはない。例えば、「第三者の労務監査を受ける」という方法は、労務コンプライアンスの状況を精査し、問題点を是正するうえで非常に有効な手段である。

ただし、人事労務などの担当部門が自らの意思で労務監査を受けるというのは、特殊なケースを除いては考えづらいものだ。自分たちの違法性を自ら暴く行為など、進んで行うはずがないからである。そのため、労務監査は経営者・リーダー主導で取り組むことが、どうしても必要といえよう。

現代の経営者には、「労務コンプアイアンスの実現」を先導する姿勢が必須である。労務コンプライアスの実現に前向きでないリーダーは、市場から淘汰され、労務コンプライアンスの実現に積極的なリーダーの市場価値は高まる。そんな時代が刻一刻と近づいているのではないだろうか。

大須賀信敬
コンサルティングハウス プライオ 代表
組織人事コンサルタント・中小企業診断士・特定社会保険労務士
https://www.ch-plyo.net

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 経営プロ編集部

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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