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ドラッカー 100の言葉 ―― 経営学の父が説く人生を成功に導く発想

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『ドラッカー 100の言葉 ―― 経営学の父が説く人生を成功に導く発想』(藤屋 伸二 著/宝島社)

 企業の経営者や人の上に立つリーダーにとっては、通勤電車の往復で読める手軽さでありながら、間違いなく役に立つ本であるといえる。辛口の箴言が100ばかり並んでいて、それぞれに英語の原文と分かりやすい解説がつき、どのページから捲ってもいい作りになっている。
 腰帯の惹句には、『「何かを起こすには勇気、努力、信念を必要とする」仕事と人生を切り拓くためのヒント』と躍る。あまりに直接的で一度は鼻白むが、進むにつれてなるほどと頷けるのだから、伊達に経営学の父とは呼ばれていない。

 中から幾つか紹介しよう。
 『あらゆる組織が、「人が宝」と言う。ところが、それを行動で示している組織はほとんどない。』という言葉に対して、「未だに経営者たちは19世紀の経営者たち同様に、企業が従業員を必要としている以上に従業員が企業を必要としている(中略)生き残りたいのなら、本気で「人が宝」と考え、行動する以外にない。」といった具合だ。

 組織論の中にも興味深いものがあった。『「凡人をして非凡なことをなさしめる」ことが組織の目的である』
 これは凡人を非凡な人間に育てられなくても、凡人に非凡な仕事をさせることは可能であるという意味で、これこそが組織の特徴の一つであると展開している。

 そしてひときわ印象深かったのが、部下との関係について述べた『人に成果をあげさせるためには、「自分とうまくやっていけるか」を考えてはならない。』というもの。
 著者は、「部下は、上司であるあなたとうまくやっていくために給料をもらっているわけではない。企業目標の達成に貢献するために給料をもらっているのだ。(中略)そもそも、部下の欠点をカバーし、強みを発揮させるのが上司の仕事である」と解説する。これはだれしも頭では分かっているつもりでも、実際には感情などが介在してなかなか上手くいかないのが現実というものだろう。
 「人の成長の助けになろうとすることほど、自らの成長になることはない」というドラッカーの言葉を最後に付け加えておきたい。
『ドラッカー 100の言葉 ―― 経営学の父が説く人生を成功に導く発想』(藤屋 伸二 著/宝島社)

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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