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サボタージュ・マニュアル ―― 諜報活動が照らす組織経営の本質

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『サボタージュ・マニュアル ―― 諜報活動が照らす組織経営の本質』(米国戦略諜報局(OSS)著、越智啓太 著、国重浩一 著/北大路書房)

 第二次世界大戦中にアメリカCIAの前身OSS(戦略諜報局)が、レジスタンス活動を支援する目的で作成した秘密文書が「サボタージュ・マニュアル」である。近年公開されたのを機に、翻訳され解説を加えてブラックユーモア仕立てとなったのが本書だ。笑いながら読むにつれて、日本の大企業や官僚機構が持つ病弊がそのまま喝破されているような気がして背筋が寒くなってくる。

 たとえば、「形式的な手順を過度に重視せよ」「ともかく文書で伝達せよ」「会議を開き、議論して決定させよ」「行動するな徹底的に議論せよ」など、日本の企業では決して珍しくもないが、実は驚くほどの機能不全を招来しているのだ。「形式的な手順…」では、係長→課長→部長→役員→社長と決裁を仰いでいくうちに、中身よりも日付や時間、通し番号の不備などのルール違反を咎めることの方に重点がおかれていく。「ともかく文書で伝達せよ」では、口でひとこと伝えれば済むことが、文書にすることで数倍から数十倍の手間がとられ、会社全体では壮大な時間のムダとなる。

 こうしたことの解決法は、「サボタージュ・マニュアル」の逆をいくことである。文書による指示よりは、メールを活用することで効率のアップが図れる。議論はできるだけ短時間で終えるようにする、といったことだ。本書の中では、「スペースシャトル墜落の原因も会議」にあったことが記されている。下請け会社の技術者が、打ちあげ当日の気温の低下が危険を招くことを指摘していたのにもかかわらず、無視されて事故が発生した。会議は、得てして少数の意見を封殺する場として働く。本書は、組織経営を改善するためのヒントを与えてくれる。
『サボタージュ・マニュアル ―― 諜報活動が照らす組織経営の本質』(米国戦略諜報局(OSS)著、越智啓太 著、国重浩一 著/北大路書房)

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