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「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告

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『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告』 (エマニュエル・トッド 著、堀茂樹 翻訳/文春新書)

 本書はフランスの歴史家・人類学者・人口学者であるエマニュエル・トッド氏の比較的最近のインタビュー(2011年11月~2014年8月)をまとめて1冊の本にして出版されたものだ。著者は国・地域ごとの家族システムの違いや人口動態に着目する方法論により、『最後の転落』(76年)でソ連崩壊を、『帝国以後』(2002年)で米国発の金融危機を、『文明の接近』(07年、共著)でアラブの春を次々と“予言”したことで知られる。
 そんな著者がこの本でテーマに据えたのは、ソ連の崩壊による冷戦の終結、EU誕生とユーロの導入によって利益を独り占めし、経済的覇者となった「ドイツ帝国」についてである。

 本書では、「ドイツは事実上の被支配国であるポルトガル、スペイン、イタリア、ギリシャ、アイルランド、フィンランドなどと、自主的隷属国のフランス、ベルギー、オランダ、ルクセンブルグなどを加えれば、人口、実質GDPは、既にアメリカのそれらを上回り、アメリカと十分対抗できる力を蓄えている」と主張する。ウクライナで戦争を仕掛けているのもドイツ。ロシア天然ガス・パイプラインの問題も、ウクライナを通過することではなく、その到着点がドイツにあり、ドイツにコントロールされていることだと指摘する。そして、大不況の経済的ストレスに直面したとき、アメリカはルーズベルトを登場させたが、ドイツはヒトラーを生み出したとして、「ドイツ帝国」台頭はヨーロッパの民主主義を破壊すると警告するのである。フランス人の著者の意見なので、ドイツに対してやや偏見があるかもしれない。しかし、EUの中にいるヨーロッパ人ならではの見方・考え方に貫かれており、経営という観点からも重要な指摘が随所にある。
『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告』 (エマニュエル・トッド 著、堀茂樹 翻訳/文春新書)

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