ワーク・ルールズ! ―― 君の生き方とリーダーシップを変える(ラズロ・ボック 著、鬼澤忍 翻訳、矢羽野薫 翻訳/東洋経済新報社)
本書はGoogleの人事トップが同社の採用、育成、評価、福利厚生など、人事領域のあらゆることを赤裸々に語ったものである。
著者のラズロ・ボック氏は若い頃、レストラン、図書館、プールの監視員、家庭教師、コンサルタントなど様々な職場を経験し、日本に在住していた時は小学生に英語を教えていたという。こうした人がGoogleの人事TOPに就くというのが、実にアメリカらしい。
マッキンゼーでコンサルタントの仕事をしていた彼が「あらゆる企業の人材の扱い方に変化をもたらす方法を見つける」ことを目指して、2003年にGE(ゼネラル・エレクトリック)に入社する。そして2006年にはGoogleに入社。GEでのたった3年の人事経験で、Googleの人事トップに就いたのである。
同社の人事の基本姿勢は、社員を善良だと信じ、ほとんどの情報を共有し、自由を与えるということだ。また、人事の仕事の中で最も重要なことは採用だと語り、その理由、具体的な方法を詳細に語っている。
その採用のところで興味深いのは、一時話題になった採用のための超難問パズルを解いた人を一人も採用しなかったという事実である。ソロの競技がうまいからといってチームプレイヤーになれるとは限らないとボック氏は言う。また、超高学歴しか採用しなかったことも改めているという。
採用だけでなく、Googleの人事施策は、新たな試みを実験し、修正を繰り返し、改善していくことの連続作業だということが分かる。前例にとらわれず人事のイノベーションを起こしていくことは、他の業務領域と何ら変わることがないということだろう。
報酬は不公平でいい、データを使って未来を予測し形づくる、社員が一番必要としているときに寄り添うなど、タイトルだけで興味を引く内容が多い。人事はもちろんのこと、経営者にもぜひ読んでほしい1冊である。
著者のラズロ・ボック氏は若い頃、レストラン、図書館、プールの監視員、家庭教師、コンサルタントなど様々な職場を経験し、日本に在住していた時は小学生に英語を教えていたという。こうした人がGoogleの人事TOPに就くというのが、実にアメリカらしい。
マッキンゼーでコンサルタントの仕事をしていた彼が「あらゆる企業の人材の扱い方に変化をもたらす方法を見つける」ことを目指して、2003年にGE(ゼネラル・エレクトリック)に入社する。そして2006年にはGoogleに入社。GEでのたった3年の人事経験で、Googleの人事トップに就いたのである。
同社の人事の基本姿勢は、社員を善良だと信じ、ほとんどの情報を共有し、自由を与えるということだ。また、人事の仕事の中で最も重要なことは採用だと語り、その理由、具体的な方法を詳細に語っている。
その採用のところで興味深いのは、一時話題になった採用のための超難問パズルを解いた人を一人も採用しなかったという事実である。ソロの競技がうまいからといってチームプレイヤーになれるとは限らないとボック氏は言う。また、超高学歴しか採用しなかったことも改めているという。
採用だけでなく、Googleの人事施策は、新たな試みを実験し、修正を繰り返し、改善していくことの連続作業だということが分かる。前例にとらわれず人事のイノベーションを起こしていくことは、他の業務領域と何ら変わることがないということだろう。
報酬は不公平でいい、データを使って未来を予測し形づくる、社員が一番必要としているときに寄り添うなど、タイトルだけで興味を引く内容が多い。人事はもちろんのこと、経営者にもぜひ読んでほしい1冊である。

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