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オープン・イノベーションの教科書 ―― 社外の技術でビジネスをつくる実践ステップ

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『オープン・イノベーションの教科書 ―― 社外の技術でビジネスをつくる実践ステップ』(星野達也 著/ダイヤモンド社)

良書である。著者はマッキンゼーを経て、オープン・イノベーションの技術仲介、活用のサ ポートを手がけるナインシグマ・ジャパン取締役の星野達也氏。冒頭、まずオランダのフィ リップスが開発した家電「ノンフライヤー」がオープン・イノベーションから生まれたとい うエピソードに引き込まれる。続いてP&G がイタリアのベーカリーから技術導入して大ヒ ットとなった「プリングルス プリント チップス」(ポテトチップス)、フランスの化粧品メ ーカーロレアルが広島県の戸田工業から「ハイブリッド色素」の技術提供を受けて完成した 口紅の事例を通して、欧米企業が世界で一番の技術を探し、戦略的にオープン・イノベーションを展開している事実が語られる。
著者は、90 年代以降「自前で達成すべきレベル」と「自社で達成すべきレベルとの間」に 乗り越えられないギャップが生まれた、という。しかも達成までの時間がどんどん短縮して いるために、いまや世界有数の多国籍企業でさえ、オープン・イノベーションを選択せざるを得ないのだと語る。

本書の白眉は、海外事例だけでなく、東レ、デンソー、帝人、味の素、大阪ガス4 社の国内 の実践事例を紹介していることだ。その上で著者はオープン・イノベーションにどうしても 必要な3 要素として、①トップのリーダーシップ、②現場の研究者の高いモチベーション、 ③取り組みをサポートする推進チームをあげ、そのどれが欠けても成功しないと強調する。 さらに技術を提供する側として、海外メーカーに技術を提供している神奈川県の中小企業 ジャパン・アドバンスト・ケミカルズ(JAC)や国内外の企業の公募に技術提案をし、研究 費を獲得していると香川大学工学部材料創造工学科の小川一文名誉教授の事例を紹介し、 提案する側の事情やノウハウについても触れている。
オープン・イノベーションとは何か、その種類と各々の違い、技術の探し方と実践事例、技 術の売り方と実践事例から、応用の仕方まで、この1 冊でオープン・イノベーションのすべてがわかる「教科書」だ。
『オープン・イノベーションの教科書 ―― 社外の技術でビジネスをつくる実践ステップ』(星野達也 著/ダイヤモンド社)

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