『シンプルに考える』(森川亮 著/ダイヤモンド社)
日本テレビ、ソニーを経てLINEを創業、今年4月にCEOを退任し、女性向け動画メディア「C CHANNEL」を立ちあげた森川氏が独自の経営観を述べている。ビジネスで成功する秘訣は「ユーザのニーズに応える」という「本質」に全力を集中させることで、それ以外の方法はないと語る。そのためには、「ユーザのニーズに応える情熱と能力をもつ社員だけを集める」ことが大切だ。そして経営の役割は「彼らがその能力を最大限に発揮できる環境を守り続ける」こと。悩むのは「あれも大事、これも大事」と表面的価値に惑わされているからだ。しかし変化の速い時代には、本当に必要なもの以外は捨て、大切な1%に集中してスピードアップしないと、生き残っていかれないと著者は語る。その経営理念は赤字会社だったLINEの前身、ハンゲーム・ジャパンで試行錯誤しながら生まれたものだ。物事の「本質」を追求する著者の姿勢は、経営者はもとより、個人にもよい刺激となることだろう。

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