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経営者のあの一言

第171回  「堅固な戦略を背景に、計画をきちんと立てて経営する時代は終わったようだ。今や出たとこ勝負で、積極的に試行錯誤をやる方がいいのではなかろうか。」日本郵船 元社長・元会長 菊地庄次郎

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 菊池氏は1912年、宮城県仙台市生まれ。東京帝国大学経済学部を卒業して日本郵船に入社。取締役営業部長、常務取締役、取締役副社長などを経て、1971年に社長に就任した。

 1971年はドルショックが起きた年だ。アメリカのニクソン大統領がドルの金との交換を停止したことを発端に国際通貨制度が大混乱に陥り、円が一気に2割近くも高くなったのだ。当然、国内経済もあっという間に先が見えない状態になった。

 そんななか、菊地氏は保有タンカーの削減など、さまざまな合理化策を打ち出した。なかでも思い切ったものが、仕組船の増加と航空貨物輸送への進出だ。仕組船とはコストの安い外国法人の船を自社の船のように使用すること。当時は、まっとうな船会社がやることではないといわれていた。一方、航空貨物輸送への進出は、航空先進国のアメリカでも貨物専用航空会社がない時代であり、非常識とみなされた。

 しかし、これらにより日本郵船は不況を乗り切り菊地氏の経営手腕は「菊地商法」と呼ばれるようになる。経営環境が大きく変わったら、堅固な戦略もきちんとした計画も役に立たなくなる。そんな時代を菊地氏は積極的に試行錯誤をすることで乗り切ったということだろう。現代のビジネス環境も大きく変わることがしばしば。計画は大切だが、時にそれを捨てる勇気も必要なのではないだろうか。

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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