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経営者のあの一言

第168回  「たった今から、収入の1割の貯金をしたまえ。自分で苦労したタネ銭がなくては、芽も出てくるまいに。」ホテルニューオータニ 創業者 大谷米太郎

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 大谷氏は実にさまざまな仕事・事業を経験した人物だ。1881年、富山県西砺波郡正得村(現・小矢部市)生まれ。親からわずかな金を借りて上京。しかし、まともな仕事は見つからず、日雇仕事で糊口を凌ぐことに。そんな大谷氏に声を掛けたのが大相撲の稲川部屋だった。大谷氏は有名な力自慢だったのだ。

 力士になった大谷氏は幕下筆頭まで出世するものの、怪我がもとで相撲を断念。鷲尾獄(大谷氏の四股名)酒店を作り国技館の酒類販売を一手に引き受けるようになる。しかし、さらに儲かる仕事を求めた大谷氏は鉄鋼圧延用のロールを作る東京ロール製作所を設立。弟を富山から呼び、事業を拡大していった。

 関東大震災では大きな被害を受けるものの、今度は震災復興に伴う鉄鋼需要に注目。大谷製鋼所を設立して、大きな利益をあげた。1940年にはグループ会社を合併して大谷重工業を設立。満州にも進出を果たし「鉄鋼王」と呼ばれるようになる。ホテル事業に進出したのは東京オリンピックの開催が決まり、宿泊施設が不足すると見込んだため。

 いろいろな会社を設立している大谷氏だが、常に時代の流れを読み、ニーズのある分野にのみ進出している。苦労して貯めた自分のタネ銭を慎重かつ有効に活用したということだろうか。

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