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経営者のあの一言

第68回  「勝ち戦で先頭に立つのはたやすいが、負け戦の時、軍を乱さず正々堂々退却できる人間こそ名将である。」日本商工会議所 元会頭 永野重雄

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 戦後財界の旗頭の一人といわれた永野氏だが、若い頃、「夜逃げ」を経験している。東大を卒業して入った商社を10か月ほどで辞めてしまい、世話になりっ放しで頭の上がらない兄にいわれて倒産会社・富士製鋼に入社、再建にたずさわった時のエピソードだ。

 荒れ果てた工場の様子に落ち込んだものの、気を取り直して雑草刈り、建物の補修から始め、購買、計理、総務など何役もこなした。工員としてハンマーも振るい、ようやく生産が軌道に乗り始める。最初は若造と侮っていた従業員も次第に永野氏に一目置くようになっていった。

 ところが、そこに昭和恐慌がやってくる。金策に走り回り、何とか会社を維持しようとするものの、債権者からは矢の催促。いたたまれなくなり、姿を消してしまったのだ。

 1週間ほどあちこちを転々として、我が身の不幸を嘆いた永野氏だったが、やがて「逃げていても周囲の信頼を裏切るだけ、出直して銀行と相談しよう」と決めて戻ることに。そして、苦労して富士製鋼の再建を果たすことになる。

 永野氏は後に「私の生涯で一番勉強になったのがこの時期」と話している。掲出は、そんな経験があった上での言葉。味わい深いものがある。

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