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経営者のあの一言

「当時もし、あり余るほどの資金に恵まれていたら、私は若さに任せてすぐさまミシン製造に乗り出し、みごと失敗したに相違ない。 」 ブラザー工業 創業者 安井正義

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安井氏は、1904年、名古屋市生まれ。小学校卒業と同時に家業に入る。1925年、父親が死去に伴い、安井ミシン商会を、安井ミシン兄弟商会に改称して引き継ぐ。1928年、麦わら帽子製造用ミシン「ブラザー」を発売した。

当時、まだ家庭用ミシンは外国製ばかりで、国産はほとんどない中、家庭用ミシンの開発に着手。念願の1号機の開発に成功したのは、会社を引き継いでから7年後の1932年だった。その後、1943年に日本ミシン製造(現・ブラザー工業)を設立すると、1950年、社長に就任した。

掲出は、国産ミシンの開発に悪戦苦闘した日々を振り返っての言葉。この後に、「国産ミシンが受け入れられる時期は、それから十年もたってようやく訪れたのである。金がなくて道草を食ったことが、結果として私に味方した」と続く。本意ではなかったが、中古品販売や部品販売を続け、その間、力を蓄え続けたことが、かえって国産ミシン開発の成功に繋がったのだという。

仕事がうまくいかない時期は誰にでもある。だが、その時々で目の前のことに真剣に取り組んでいれば、後になってそれらが面白いように連結し、思ってもみなかった好結果を生み出すことがある。物事が思うように運ばない時には、「今は、未来のために必要なステップを踏んでいるのだ」と認識し、けっして腐らずに耐え忍びたいものだ。

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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