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第397回  「昔のソニーはその製品を使ってどんな体験ができるかということを提示するのが上手でした。」ソニー・コンピュータエンタテインメント 元名誉会長 久夛良木健

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久夛良木氏は、1950年、東京都江東区生まれ。中学生の頃には、秋葉原で部品を買い集め、ラジオやアンプを自作していたという。
 
早稲田高等学校を卒業し、二浪して電気通信大学に入学。大学卒業後ソニーに入社した。ソニーではレベルメーターの開発などを経て、家庭用ゲーム機に取り組むことになる。

ソニーは当初、任天堂と共同でゲーム機に関わる技術開発を進めていた。しかし、ほどなくこの提携は解消される。これを機にゲーム機から撤退すべきという意見もあったが、久夛良木氏は当時の社長・大賀典夫氏に直訴、ソニー独自のゲーム機開発を認めさせた。

1993年に社内ベンチャー制度でソニー・コンピュータエンタテインメントが誕生し、翌年プレイステーションを発売。これが大ヒットとなる。その5年後の1999年、久夛良木氏はソニー・コンピュータエンタテインメントの社長に就任する。

掲出の後は「ウォークマンは、どこにいても自分の世界が常に音楽に包まれているという、それ以前にはなかった体験をユーザーに提供したのです」と続く。

当時、ウォークマンにはソニー独自の新しい技術は含まれておらず、逆に既存の製品から機能を削ぎ落とした製品だった。反面、プレイステーションのコンセプトは、最先端のコンピュータエンタテインメントシステムとして、最高のゲーム体験を提供する、とういうもの。

手法としてかけ離れているようではあるが、それらを世に送り出す者の想いとしてあるのは、その製品によってどんな体験ができるか、どのように人々の生活が変わるか、ということだ。技術の追求ももちろん大事だが、使い手の立場に立った開発こそが成功の秘訣ということだろう。

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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