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第293回  「会長命令だ。やれ。問答無用でやれ。」ソニー 創業者 盛田昭夫

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 盛田氏は、1921年、愛知県常滑市生まれ。大阪帝国大学卒業後、海軍に入隊。海軍航空技術廠勤務となり、そこで知り合った井深大氏と、戦後、ソニーの前身となる東京通信工業を設立した。

 今やiPodをはじめとする携帯音楽プレーヤーに音楽を入れて持ち歩くのは若者を中心にごく当たり前のことになっている。しかし、掲出の言葉がなければ、そうはならなかったかもしれない。

 iPodが発売された時、スティーブ・ジョブス氏が「これは21世紀のウォークマンだ」と説明したように、携帯音楽プレーヤーの元祖はソニーのウォークマンだ。1970年代、小型のテープレコーダーはあったものの会議などの録音用で、外で音楽を聴くという発想はまったくなかった。そんななか、盛田氏は携帯できるサイズの再生専用機の開発を指示した。しかも、価格は当時としては極めて安い4万円台、夏休み前の発売を予定したため開発期間はわずか4ヵ月とした。

 社内からは反対の声が上がった。価格や開発期間はもちろん、録音機能を外すという点を心配する声が多かった。テープレコーダーという名称通り、当時は録音できて当たり前だったのだ。そんな反対の声を抑えたのが掲出の言葉だ。ウォークマンは最初こそ苦戦したものの、大ヒットとなり、音楽の聴き方を一変させた歴史的商品となった。

 まったく新しい商品やサービスを開発するときに反対はつきもの。リーダーの一喝が必要な時もある。

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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