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第273回  「いつかは誰かがやらねばならないことがある。だからうちがやる。」サントリー(現サントリーホールディングス) 元会長 佐治敬三

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 佐治氏は、1919年、大阪生まれ。小学校の時に母方の縁者と養子縁組をしたため佐治姓だが、サントリーの創業者・鳥井信治郎氏の次男。

 大阪帝国大学理学部を卒業後、1945年サントリーの前身である寿屋に入社。1961年に同社の代表取締役社長に就任した。

 佐治氏が社長に就任した頃はちょうど高度成長期の真っ只中。主力商品の「赤玉ポートワイン」「白札」「角瓶」は飛ぶように売れた。そのままでも十分だったのだが、佐治氏は敢えて冒険をする。ビール業界への進出だ。

 実は、寿屋は一度ビール業界に進出したことがある。しかし、売れ行きが思わしくなく撤退している。しかも、佐治氏がビール業界への進出を決断した当時は麒麟麦酒、サッポロビール、アサヒビールの3社の寡占状態だった。

 案の定、苦戦が続いた。しかし、父・鳥井氏の「やってみなはれ」の精神は佐治氏に受け継がれていた。その後、ついに黒字に転換、品質も世界的に権威のある食品品評会であるモンドセレクションで金賞を受賞するまでになるのである。ビール業界の寡占状態打破は、佐治氏にとって「いつかは誰かがやらねばならないこと」だったのではないだろうか。普通は、誰がやってくれると様子見をしてしまう。しかし、突破口が開いた後をついていっても大きな利益は得られない。時には先陣を切る勇気も必要だ。

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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