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第259回  「5000万回の「真実の瞬間」が、成功を左右する。」スカンジナビア航空 元社長兼CEO ヤン・カールソン

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 カールソン氏が、社長として招かれた1981年、スカンジナビア航空は極めて厳しい状況にあった。累積赤字が2000万ドルにもなろうとしていたのだ。カールソン氏はまだ39歳の若さだったが、航空会社リンネフリュをわずか数年で立て直した実績を買われての社長就任だった。

 カールソン氏がリンネフリュで行ったのは大胆なコスト削減だ。同時に大幅に運賃を下げ、便を増やして同社を再建した。しかし、同様の手段はスカンジナビア航空では使えなかった。すでにチーズスライサー方式と呼ばれる一律のコスト削減を実施したのだが、それがかえって逆効果になっていたのだ。コスト削減によって従業員の士気が低下してサービスの低下につながり、客離れを招いていた。

 そこでカールソン氏が打ち出したのが「真実の瞬間」を重視する経営ビジョンだった。カールソン氏が後に著した『真実の瞬間』はベストセラーになったから、御存じの方も多いだろう。これはサービススタッフが顧客と接する15秒のことで、スカンジナビア航空では年間5000万回ある計算になった。このわずかな時間で顧客のスカンジナビア航空に対するイメージが決まると従業員に訴えたのだ。

 真実の瞬間はもともと「闘牛士が闘牛にとどめを刺す瞬間」のことを指す。これをビジネス用語にしたのがカールソン氏だ。同時に現場に権限を委譲し、顧客に良いと思えることは、上の決裁を仰ぐことなく実施してよいことにした。これでスカンジナビア航空は甦った。やはり企業の命運を左右するのは、顧客と接する最前線の従業員達だ。

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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