経営・ビジネスの課題解決メディア「経営プロ」

「経営幹部」育成の教科書

第1回  「経営幹部」人材は、こう見抜け

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「経営人材」は、「描く力」と「決める力」の「質×量×スピード」で見抜け

「描く力」とは構想力のことです。まず、しっかりと自社の事業ビジョンや、個々のサービスの到達点、目指すべき姿を描けるかどうかが問われます。

できる経営者の人たちがよく口にするのが、「頭の中でくっきりと絵を描いて、それを社員や社外のステークホルダーに説明する」というフレーズです。これは「見えていないものは、成し遂げ得ない」という信念から出てくるものでしょう。

描く力でよく言われるのは、『鳥の目』を持つことです。自分の2つ上ぐらいの役割になったつもりで、自分の仕事をとらえ直すことができるか。課長であれば事業部長クラス、部長であれば役員か経営者、若手であれば部長クラスの目になって、自分の立ち位置や仕事内容を俯瞰(ふかん)してみる癖を身につけているかが問われます。もちろん、どのような立場であれ、究極は「社長の目」に立つことです。将来の後継者候補足る人材は、日々、社長の目から自社の事業や日々の業務を見ているものです。

我々は、「描く力」の有無を評価するポイントとして、「広く市場の動き、事業環境に目配せできているか」「自分なりのビジョンを創出しているか」「ビジョンや構想を戦略や組織に落とし込んでいるか」を見ています。

「決める力」とは、決断力です。リーダーというのは毎時間、毎分、毎秒が決断の連続。その決め方にもその人の個性が出ます。一人で決める人、衆知を集め合議する人、さまざまです。決められないトップやリーダーがいると、組織は混乱や停滞をきたします。向かうべき方向を得られない組織は、迷走するか、動けなくなるかのどちらかです。

昭和型の大企業トップに多いのが、決断の段階での「意思決定のタライ回し」です。「あの役員は、どう言っているんだ?」「皆がよいというなら」「先に副社長に聞いてみてくれ」では、決断力があるとは言い難いでしょう。決めないということも一つの意志決定です。しかし、それがどんな災いをもたらすかは、世間を騒がせてきた偽装問題、粉飾問題や大型倒産などに見てとれますね。どれも、意思決定の先送りがもたらした悲劇です。

また、そもそもの偽装問題や先の粉飾決算の発生自体は「間違った決定」による悲劇です。
ただ決めればよいというわけではないのは、当たり前のことです。決断できる人とは、自分のなかに正しい判断基準を明確に持っている人のことです。

我々は、「決める力」の有無を評価するポイントとして、「事業や経営での意思決定への主体的な参画があるか」「多様な意見・利害関係の中でも最適な判断をすべく動いているか」を見ています。

問いを立てる「経営人材」とは、先の「やり切る」「まとめる力」の2つの力に加えて、「描く力」と「決める力」が抜群に優れている人材です。この部分での質と量とスピードを評価してください。

お気に入りに登録

関連記事

会員登録 / ログイン

会員登録すると会員限定機能や各種特典がご利用いただけます。 新規会員登録

会員ログインの方はこちら