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「経営幹部」育成の教科書

第1回  「経営幹部」人材は、こう見抜け

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活況を呈する幹部採用市場。その背景には、自社の存亡を大きく左右する、マネジメント人材の強化があります。コロナ禍以前から、グローバル化や社会情勢の急激な変化を受け、あらゆる業界で企業変革が求められ、待った無しの状況でした。それが、コロナ禍にあってもなお衰えることがないばかりか、更に危急度が上がっています。外部採用であれ、内部登用であれ、誰を自社の管理職層にすれば良いのか、誰を経営陣に抜擢すべきなのか、多くの経営陣が頭を悩ませているのではないでしょうか。今回は、今後の事業成長に欠かせない「経営幹部」人材を見抜くポイントをお伝えします。

マネジメント人材には「幹部人材」と「経営人材」がいる

できる経営幹部人材、できない経営幹部人材の違いは何だろうか?
経営幹部人材に求められる共通項とは?

当社では、こうした問いを長らく考え続け、様々な場面で議論し、研究し、仮説を検証し続けてきました。その結果、明らかになったものを整理したのが「経営者力」方程式です。これを深堀ることにより、経営組織のコンサルティングやエグゼクティブサーチ、経営者育成カリキュラムなどを展開してきました。大元の公式はシンプルなものなので、皆さまにもぜひ覚えていただければと思います。◎経営者力=(「描く力(構想力)」+「決める力(決断力)」+「やり切る力(遂行力)」)×「まとめる力(リーダーシップ力)」×「学び続ける力(学習力・習慣化力)」、これら5つの力を発揮し、日々の現場に当たれる人が、経営者力の高い人です。私たちは、「経営者力」をこの方程式で捉えて、さまざまな支援をしてきました(下図参照)。

もうひとつ、経営幹部人材を「幹部人材」と「経営人材」に分けて考え、求められる力量やニーズ、発揮すべきことについて見ています。

「幹部人材」とは、会社の「問い」に答える人です。経営陣は、常に課題を抱えています。それらを託され、成果を出すことにコミットするリーダーが幹部人材です。一般的には部長や課長の立場にある人たちがこれに当たります。

一方の「経営人材」は、会社の「問い」を立てる人です。「自身の会社では今、何をすべきか」「今後、何を目指してどこへ向かうべきなのか」といった、目的や方向づけを行うリーダーを指します。当然、社長がその任を負いますが、社長だけでなく、事業部門の長、組織の最終責任者である立場の人が、この立ち位置で思考し動ければ、会社はなお強くなるでしょう。

他に、組織上の役職・立場が組織の最終責任者でなくとも、その問題意識や市場、顧客を見る視座の高さから、自社の今後の取るべき舵取りについて提言し、新たな事業の提案をするなどで自社を大きな変革に導く若手リーダーもいます。彼らこそ、実は「真の経営人材」と言えるのです。

さて、では「幹部人材」「経営人材」、それぞれのあり方を見ながら、先述の「経営者力」の5つの力から、求めるべき経営幹部人材を見抜くポイントをご紹介しましょう。

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