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「思いやり」と「挑戦」を両立させる『セキュアベース・リーダーシップ』とは? IMD北東アジア代表・高津氏が解説

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高津氏とセキュアベース・リーダーシップの出会い

高津氏とセキュアベース・リーダーシップの出会い

私がセキュアベース・リーダーシップという考え方と出会ったのは、2010年のことです。
転職のタイミングで、IMD学長のドミニク・テュルパンがIMDへの参画を強く勧めてくれたのですが、当時の私にはスイスの一教育機関が日本企業の人材育成にどれほど影響を及ぼすのか分かりませんでした。そこでテュルパンが、私のIMDのプログラムへの参加をお膳立てしてくれたのです。

グローバル人材育成にまつわる仕事の経験はまったくありませんでしたが、同年6月に参加した「OWP(Orchestrating Winning Performance)」には大きな衝撃を受けました。そこには圧倒的な多様性があり、50カ国から集まった約400人の企業幹部は全員がとても積極的でした。そしてその会場に、日本人参加者が私を除いて2人しかいなかったことにも驚きました。
その2人も、1人はグローバル企業の日本支社からの派遣、もう1人はIMD側からの招待で参加していた日本企業の人事部の方だったので、実際的にはゼロに近い状態でした。「これはヤバいんじゃないの?」と感じました。

1週間に渡るプログラムは、学んだことを「リーダーとしての自分」に引き付けて締めくくられます。その年のOWPでは、IMDのベテラン教授であり、リーダーシップ教育の第一人者であるジョージ・コーリーザーが登壇しました。90分間のセッションの中で、彼は次々と大切な話を聞かせてくれましたが、私の心に最も刺さったのは「安全基盤」の話でした。私がIMDからの誘いに戸惑っていたのは、転職という難しい時期にあり、自分自身の安全基盤が揺らいでいたからです。それに気づいた私は、その瞬間から自身と家族の安全基盤の立て直しに取りかかることを決めました。このプログラムを通じて、さまざまな境界を越えた人と人との共感が可能であることを学んだのです。そしてグローバル人材育成を通じて、知識と共感で日本と世界をつなぐことに貢献しようという思いからIMDに参画し、現在に至ります。


スイスの名門ビジネススクール、IMDで使われている「最高のリーダー」になるための新しいリーダーシップ論。「セキュアベース・リーダー」の9つの特性とは?まだまだ続きます。

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