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クオリティフォーラム2017 登壇者インタビュー 共生型ものづくり社会「Factory of the Future」を目指す~日立流IoTの実践~日立製作所 IoT推進本部 担当本部長の堀水修氏に聞く(前編)

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■ものづくりとITに通じている強み

――IoTに対する取り組みにおける貴社と同業他社との違いはなんですか。

堀水:ベースは変わらないと思います。公開されている情報は同じなので、多少突っ込んだ分析をしても得られるトレンドや変化のドライバに大差はありません。にもかかわらず、他社との違いを打ち出せているとすれば、自分たちでものを作っていることでしょうね。

 当社は「製作所」ですから、単なるITベンダーとは根本的に異なるものづくりのオペレーションテクノロジーや制御技術などをもっています。加えて、ITのソリューションプロバイダーでもある。ものづくりとITの双方を備え、かつ相乗効果を得られるのは何よりの強みでしょう。当社に対するお客様の期待もそのあたりにあると思います。

――貴社のIoTソリューションの成果をお客様に訴えていく上で留意されたのは?

堀水:お客様の多くは当社の強みをよくご存じです。ですから、当社と組まれるほとんどのお客様がITの日立ではなく、ITプラスものづくりの日立に期待される。当然、提案したものは社内できちんと評価された完成版だと思われます。

 そこで、売り上げや利益を云々する前に、グループ内のものづくりの現場をITやIoTを使って改善していくことに努めました。外部に出す以上、社内でしっかりと検証することが肝心だからです。ものづくりを社名に冠する企業として当たり前の心構えです。

■思い思いに改革を進める気概と気風

――「社名に込められた思い」をグループ内ではどのように具現化しましたか。

堀水:お客様や社会にソリューションを提供する前に社内で一度使ってみろと呼びかけたところ、いち早く動いた会社が3、4社ありました。初めにデータを取って、設計実績や生産実績、リソース、キャッシュなどの見える化を図りました。見えることと何を改善したいのかということ、そしてその道具立てが揃えばパワーユーザーたちが動き出す。

 傘下にはそんな元気な会社がいくつもあります。そこで、グループ内限定で今日でいうIoTプラットフォームの走りのようなシステムを開放しました。好き勝手に使えるので、意欲的な会社は工場内の種々雑多な情報を見たり、結び付けたりして、思い思いに現場改革や経営改革などを進めました。

――まさに日立流IoTの実践ですね。

堀水:最初はどこも半信半疑でしたが、クラウド上に上げやすかったことが奏功して活用が始まりました。ものづくりに対する気概のある会社ですから、どこかが成功したとか新しい道具が出たとかの情報を聞きつけると途端に競争のスイッチが入る。そういう環境をいち早く提供できたことは大きかったですね。

 それを成果に結び付けるガッツのあるフロントランナーが何社もあったのがグループとしてはよかったのかもしれません。現在もどこかで、こんな道具を使って、こんな成果を出したということが広まれば、うちもうちもというモードに入る気風は健在です。実際、刺激を受けて後を追う事例が増えています。

■見える範囲の行動は個別最適止まり

――現場と経営をつなぐ手段としてIoTを活用する際に心がけておくべきことは。

堀水:IoTには陥りやすい罠があります。「とにかくビッグデータを解析すれば、何かが分かるんじゃないか」という、期待を込めた思い込みです。ただし、良質のデータを集めるには金がかかります。ですから、解決したい課題を明らかにすることが先決です。

 そうすれば、課題解決のためにはどこにあるどんな情報をどんな業務につなげればよいのかが分かり、PDCAが回るので、ミニマムコストで最大効果を得ることができる。IoTの責任者が悩むのは課題解決のための豊富な技術やデバイスの何をどう組み合わせればよいのかが分からないことです。現場と経営をつなぐためには社内外を問わず、複数の担当者との協力が欠かせません。

――同じことをしても成果が出る場合と出ない場合の分かれ道はどこに?

堀水:どれほど本質的なところを攻めているかどうかの差だと思います。自分の見えている範囲だけでなんとかしようとすると個別最適になってしまうからです。だから、今までつながったことのない業務に目を向けたり複数の人と共同で挑戦したりすることが大切です。そのキーワードこそがIoTです。

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プロフィール

株式会社日立製作所 IoT推進本部 担当本部長 堀水 修 氏

株式会社日立製作所 IoT推進本部 担当本部長 堀水 修 氏

1988年 日立製作所入社。本社生産技術部配属。1992年 カーネギーメロン大学 ロボティクスインスティテュート 客員研究員。2005年 日立中国有限公司 モノづくり技術センタ センタ長、2013年(株)日立製作所Smart Transformation強化本部 サブプロジェクトリーダ、2014年モノづくり戦略本部 担当本部長、2017年から現職。

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