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無印良品流 人が育つ仕組みづくり~“人財を活かす”経営変革フォーラム Vol.3

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 設立からわずか2年後の1991年に海外へ初出店をした良品計画は、その後11年も赤字が続き、戦略の転換を迫られました。2001年に社長に就任した松井忠三氏は、それまでの失敗を教訓に大掛かりな経営改革を断行。すると翌年には早くも黒字に転換させるなど、そこから一気に成長を果たしました。そんな良品計画での成功の鍵は、人材育成です。人が育つ独自の仕組みづくり――その具体的な取り組み内容や成功のためのポイントを松井氏に語っていただきました。

経営の変革

 私が2001年に良品計画の社長に就任した際は、赤字からビジネスをスタートしなければいけない状況でした。象徴的なのは在庫です。売価で100億円の在庫処理をする必要に迫られました。一方で、赤字処理と同時に、次の成長への準備もしなければなりません。リストラだけでは会社は立ち直りませんから、勝つ構造を作る必要もあったのです。では、なぜ今まで勝つ構造が作れなかったのか。その一番の要因は、企業風土にあったのではないか、そう考えるようになりました。それまで属していたセゾングループは、文化と感性、個店経営、背中を見て育つ(経験主義)、売価還元法、企画中心、個人などが特徴でしたが、それを科学的、チェーンオペレーション、見える化・マニュアル化、個別原価法、実行、組織といった良品計画独自の特徴に変えていったのです。つまりセゾンの常識は良品計画の非常識と言うことができるでしょう。

人材の育成

 これが現在、良品計画が実際に行っている人材マネジメントと育成の考え方です。その目的は、良品計画の最も重要な資産である人材の育成を全社視点で行い、働く仲間の生産性と働きがいを向上させること。柱は大きく分けて3つあります。1つ目は、業務基準書による育成。店舗のオペレーションはMUJI GRAMというマニュアルによって動いています。また、本部業務基準書による本部業務の見える化・標準化も行います。続いて2つ目は、人材委員会。我々は日本企業ですので、基本的には終身雇用です。したがって、全社最適・育成視点での適材適所配置(育成の核)が不可欠になります。そして3つ目は、人材育成委員会。これは平たく言いますと教育です。「専門度を上げる」仕組みとマインドを全社の知恵で構築していきます。教育の多くは人事部門が担うわけですが、人事部門が作る人材戦略は、往々にしてこじんまりしてしまうため、トップが必ず関与しなければなりません。


この後も、MUJI GRAMの活用方法や社風改革の具体的手法など、良品計画ならではのノウハウをお話しいただいています。レポートはまだまだ続きます!


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