
これからの海外展開はグローバルインテグレーションへの変革が必要
日本のマーケットが成熟期に入り、更なる成長を求めてグローバル展開を考える上で重要な視点は、今までの延長線上にあるやり方を続けても発展的な未来はないということです。既に多くの日本企業が海外に進出し、試行錯誤で仕組みを創り上げており、高いブランド認知度もある中、今求められるのは、これからのグローバル戦略を実現していくための仕組みにどう変革していくか、検討の目線をもう一段高いにステージに上げるということになります。
フォーチューン誌の「グローバル500」はグローバル企業の売上上位500社のランキングですが、1996年には、日本企業が141社ランクインし、全体の売り上げに占める割合も35%あったのですが、2011年には11%に落ち、現在は10%を切っています。昨年ランクインした日本企業はわずか57社でした。 この間、500社のランクから消えた日本企業100社に取って代わったのが、中国やロシア、ブラジルなどの国々の、いわゆるエマージング・ジャイアンツと呼ばれる企業です。日本企業が大きくランキングから落ちていった背景について、まとめられた興味深いレポートがあります。
理由はいくつかに整理されていますが、組織、人事に関する視点では、2つあります。1つは、日本は勤勉で画一的な考え方を共有し、高い行動規範を持つ組織の輪で高品質な商品をつくり、そのモデルで海外進出し、成功した。 その成功体験から、そのモデルをさらに展開したが、海外マーケットは必ずしもこうした日本での成功モデルが適用できる環境ばかりでではなく、新たな環境下で多様な人材を有する組織を経営していくことに不慣れであったこと。 もう1つは、日本企業のトップマネージメント層には、日本人男性が圧倒的に多いという均質さが、考え方を硬直させていったのではないかという点です。
こうした新たな環境下でのグローバル化を推進していくにあたっては、グローバル横断に、オペレーションを統合管理し、効率的に運営をしていけるモデルを構築する必要があります。グローバルな視点で見た地域戦略の中で、その仕事に適した人材を確保し、最適活用を進めるためにも、オペレーションモデルやプロセス、ルールを標準化していくことが求められます。
新たな情報技術の発展が、こうしたグローバルを統合してオペレーションしていく仕組みの構築にも、大きく貢献することにもなりました。 ドイツでは製造業のモデルを大きく変える取り組みとして官民共同で、インダストリー4.0という考え方を推進しています。インターネット技術を基盤とした、ものづくりのプラットフォームの標準化により、必要な専門性を連携し、最も適した場所、人がデザインし、調達できるような取り組みを進めようとしています。 人材の育成や登用、それを運営する組織の設計も、こうした動きに近くなっていくと考えられます。 グローバルに統合的に管理をし、また、その可視化が出来る基盤づくりが必要になっています。
また、グローバルの競争に打ち勝っていくためには、意思決定のスピードを上げ、戦略や方針をビジネスの現場に、タイムリーに浸透させ、確実に実行していける人材の育成も必要になります。
〔経営プロサミット2015 6/4講演「グローバルインテグレーションに向けた人事変革」より〕
フォーチューン誌の「グローバル500」はグローバル企業の売上上位500社のランキングですが、1996年には、日本企業が141社ランクインし、全体の売り上げに占める割合も35%あったのですが、2011年には11%に落ち、現在は10%を切っています。昨年ランクインした日本企業はわずか57社でした。 この間、500社のランクから消えた日本企業100社に取って代わったのが、中国やロシア、ブラジルなどの国々の、いわゆるエマージング・ジャイアンツと呼ばれる企業です。日本企業が大きくランキングから落ちていった背景について、まとめられた興味深いレポートがあります。
理由はいくつかに整理されていますが、組織、人事に関する視点では、2つあります。1つは、日本は勤勉で画一的な考え方を共有し、高い行動規範を持つ組織の輪で高品質な商品をつくり、そのモデルで海外進出し、成功した。 その成功体験から、そのモデルをさらに展開したが、海外マーケットは必ずしもこうした日本での成功モデルが適用できる環境ばかりでではなく、新たな環境下で多様な人材を有する組織を経営していくことに不慣れであったこと。 もう1つは、日本企業のトップマネージメント層には、日本人男性が圧倒的に多いという均質さが、考え方を硬直させていったのではないかという点です。
こうした新たな環境下でのグローバル化を推進していくにあたっては、グローバル横断に、オペレーションを統合管理し、効率的に運営をしていけるモデルを構築する必要があります。グローバルな視点で見た地域戦略の中で、その仕事に適した人材を確保し、最適活用を進めるためにも、オペレーションモデルやプロセス、ルールを標準化していくことが求められます。
新たな情報技術の発展が、こうしたグローバルを統合してオペレーションしていく仕組みの構築にも、大きく貢献することにもなりました。 ドイツでは製造業のモデルを大きく変える取り組みとして官民共同で、インダストリー4.0という考え方を推進しています。インターネット技術を基盤とした、ものづくりのプラットフォームの標準化により、必要な専門性を連携し、最も適した場所、人がデザインし、調達できるような取り組みを進めようとしています。 人材の育成や登用、それを運営する組織の設計も、こうした動きに近くなっていくと考えられます。 グローバルに統合的に管理をし、また、その可視化が出来る基盤づくりが必要になっています。
また、グローバルの競争に打ち勝っていくためには、意思決定のスピードを上げ、戦略や方針をビジネスの現場に、タイムリーに浸透させ、確実に実行していける人材の育成も必要になります。
〔経営プロサミット2015 6/4講演「グローバルインテグレーションに向けた人事変革」より〕
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