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セールスフォース・ドットコムの継続的成長を支える企業カルチャー(1/5)

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費用をかけずにすぐ導入できるクラウドは革新的に利便性を上げる

費用をかけずにすぐ導入できるクラウドは革新的に利便性を上げる

1915年前後20年の、第一次世界大戦と第二次世界大戦の間の期間は「ファースト・マシン・エイジ」と呼ばれ、労働生産性が倍以上になりました。その後、これが事業に転換され、工場、オフィス、生活が変わります。1995年にマイクロソフトがオフィス95を出し、インターネットが世界ではじけ、その後社会生存権を持つに至りました。この後、モバイルやソーシャル、クラウド、IoT(Internet of Things: モノのインターネット)などインターネットをベースにした新しいビジネスモデルが出てさらに生産性が上がります。

セールスフォースは、クラウドをベースにしてソーシャル、モバイル、IoT対応をする会社です。かつての業務形態をコンピュータが取って代わったように、今日ではコンピュータが担っていたことをクラウドが取って代わっています。総務省の経済白書によれば、日本はITに20兆円をかけています。従来は全てがメインフレーム、クライアントサーバー、それを媒介する開発のための費用でしたが現在は6%がクラウドに移行しています。セールスフォース、アマゾン、グーグル、マイクロソフト、オラクルのように外資の先端はクラウドビジネスに転換し、日本でも日立や富士通、NEC、NTTでクラウド化が進んでいます。
現在、クラウドの割合は6%です。しかし全体の規模は変わらないものの、今後クラウドの割合は20%にまで上がると予想されています。クラウドに参入する企業は増えていますが、メインフレームをバックエンドに置いたらすぐクラウドサービスが始められるかというと、そうではありません。私たちの持つクラウドテクノロジーモデル、エコシステムによる新しいビジネスモデル、社会貢献モデルの3つが揃って、初めてクラウド業者として社会に貢献できると考えています。

従来型のインターネット化とクラウドの違いは、一軒家とマンションの違いに似ています。一軒家を手に入れるには通常、土地を買い、工務店と契約して建てていきます。ITでも同じでデータセンターの敷地をまず買い、ハードウェアとソフトウェアを買い、アプリケーション開発します。使い始めるまでに2~3年かかり、初期投資は億単位でかかります。  これに対してクラウドはクラウド業者がマンション(システム)を建て、皆が便利な環境(ビジネスモデル)を整えて、月額いくらで提供する、というスタイルになります。使いたくなったらすぐ使える、マンションの便利さと同じです。マンションですから、自分たちで費用を投じてチューンナップする必要はなく、私たちが常に新しいものを提供します。また課金モデルもシンプルでセキュリティも我々が請け負います。なんらかの費用が生じる場合も格安の「マンション価格」でご提供できます。クラウドなら1人でも、100万人でも使えます。簡単、便利、格安というのがクラウドの良いところです。

私たちのクラウドのビジネスモデルが、日本で最初に貢献できたのは、2009年7月から始まったエコポイントの事業です。法案が通る前の5月にご依頼いただいたので、7月1日の開始まで2カ月という短期間しかありませんでしたが、サービスインまでにテスト4回をすませ、間に合わせることができました。実際には6月半ばにはすでに稼働可能でした。その後、福島の損害賠償でも貢献に繋がっています。3月11日の地震後、8月12日に損害賠償に関わる法律が通ってご相談いただいた際、賠償手続きを迅速に進めると同時に、賠償が受けられる農家に、政府側から「賠償金が受け取れますよ」と問い合わせできる機能や、たちの悪い人を避けるためのチェック機能も追加したプラットフォームを構築しました。クラウドなら、どのようなシステムになるか分からないものでも、まず作ってみてから、スケールも含め自在に調整できます。
当社は、フォーチューン誌で「世界で誇れる企業のベスト100」にずっとランクインしています。同じくフォーチューン誌の「世界で最も革新的な企業」では、グーグル、アップルを抑え、4年連続で第1位となりました。私たちは革新的で新しいことを提供できる企業です。

私たちが提供するクラウドビジネスは、色々な情報ネットワークを、ハードウェア、ソフトウェア、お客様を持つことなく、つなげられます。グーグル、アップル、マイクロソフトの新しいテクノロジーを私たちの中で統合し、皆が意識しないで使えるようになります。
具体例を出すと、海外のお客様事例として、医療センターで、患者の健康データを医者、患者、家族のみんなが共有し、医療に生かすというチャレンジを、セールスフォースのプラットフォームで実施しています。例えば、ベッドメーカーと連携してセンサリングさせ、ベッドに寝ると、午前3時~5時のバイオ的に危ない時間帯に健康状態をずっとチェックし、危ない信号があるとナースセンサーに連絡し、サポートできる仕組みの実施です。ネットワークを通じてインテグレーションするテクノロジーモデルであり、現在、米国にある大学のお客様事例では、最新テクノロジーを駆使し、患者の体内のタブレットにセンサーをつけてデータ管理するという事業を行っています。データをあげて、セールスフォースで管理し、設定した閾値を越えたかどうかで患者の危険状態を判断します。

〔経営プロサミット2015 6/1講演「セールスフォース・ドットコムの継続的成長を支える企業カルチャー」より〕

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プロフィール

株式会社セールスフォース・ドットコム <Br>取締役社長 兼 最高執行責任者(COO)<Br> 川原 均 氏

株式会社セールスフォース・ドットコム
取締役社長 兼 最高執行責任者(COO)
川原 均 氏

1982年4月に日本アイ・ビー・エム株式会社に入社後、金融機関やグローバル製造業向けのビジネス拡大に従事。1999年に米国IBMへ。2006年に日本アイ・ビー・エムの執行役員に就任し、2010年1月以降は専務執行役員(ソフトウェア事業担当)として、約900名の部下を抱え、日本におけるソフトウェア事業を統括。同社での約30年の経験の後、2011年8月にベルリッツ コーポレーションにシニアバイスプレジデントとして入社し、新事業であるグローバルコーポレートセールスおよびグローバルリーダーシップトレーニングの拡大を主導。2012年11月 株式会社セールスフォース・ドットコムに、副社長 エンタープライズ営業本部長 兼 米国セールスフォース・ドットコム シニアバイスプレジデントとして入社。2014年4月より現職。

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