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逆境からの再生 -イノベーションのジレンマを超えて-(2/5)

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「コダックが倒産する」という誤解を払しょくすることに注力

「コダックが倒産する」という誤解を払しょくすることに注力

チャプターイレブンに入ったとき、日本では「コダックが倒産法の適用になった」と報道されました。コダックはなくなってしまうのかというショックが、取引先、お客さま、パートナーにまたたく間に広がりました。日本法人は風評との戦いにかなりの力を費やしました。重要な真実は、チャプターイレブンはアメリカの法律であり、アメリカ外の法人は適応外だということです。日本法人は独立した法人であり、チャプターイレブンの直接の影響は受けません。本国はレガシーコストの切り離しが必要でしたが、日本は独立して、健全なビジネスをやっているということをしっかりお伝えしていきました。

日本には国内にコダックの工場が2か所あり、日本の売上の大部分を占める製品の製造は国内で行っており、万が一、他のところで止まっても日本は大丈夫だ、と説明してお客さまの不安を解消しました。色々な問い合わせが来るので、従業員用にQ&Aを作り対応しました。競合他社が一斉に「コダックはやばいぞ」とカウンターメッセージを出してきたので、主に取引するパートナーに対して、できるだけ内容を開示し、日本の経営に影響は及ぼさないことをご説明しました。チャプターイレブンの仕組みの説明も必要でした。我々は倒産するのではなく、再生できるからこそそれを加速するのだと特に強調したのです。もちろん従業員には、社内にいても大丈夫、再生後は次の成長ビジネスがあると継続的に説明しました。とはいっても、日本法人でも2割近い人員配転や削減を行い、難しい経営ではありましたが、優秀な人員を社内に引き止めることに注力しました。

金融機関は本社の情報をつぶさに調べています。そのため、誤解を解く必要はなく、むしろ日本法人として将来ビジネスがしっかり成り立つということを説明することが重要です。チャプターイレブン下で厳しい視線にはさらされましたが、協力、理解していただきました。
日本法人として重視したのは、「お客さまから目を離さない」ということです。お客さまに満足していただければ、我々の将来はあります。「ワン・コダック」として、どの部門でもお客さまの方を向いてサポートしようとイニシアチブを取りました。コダックでは様々な商品を売っていますが、お客さまを1つのアカウントとしてマネジメントする「アカウント・マネージメント」もシステムと共にオペレーションに取り入れました。

もちろん、プロセスの効率化も加速的に進めました。これまではBtoBとBtoCが混じっていましたが、これを従業員が分かりやすいように整理。デジタル分野、ソリューション分野、キャッシュ・カウ(消耗品ビジネス)、日本パートナーとのアライアンス、OEMビジネスに整理して、全社をリードしていきました。

〔経営プロサミット2015 6/2講演「逆境からの再生 -イノベーションのジレンマを超えて-
~コダックはいかにして苦境を乗り越え、B to CからB to Bへの転換を行ったのか。
その時、日本コダックが直面した課題とは~」より〕

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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