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人材教育に見る「在宅勤務」の問題点

「企業活動にオフィス不要」は本当か<後編>

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“上司の言動と行動”から学ぶ機会を喪失する「在宅勤務」

組織内でこのような現象が発生する理由は、「部下は上司の真似をする」という特性に由来する。そのため、常に「職業人として好ましい言動と行動」がとれるリーダーの下では、無意識のうちにその言動と行動から学び、模倣する部下が次々と現れることになる。これは、リーダーと部下とが同じ空間を共有しているからこそ発生するものである。同じ職場に出勤して仕事をするからこそ、リーダーの言動と行動が、メンバーへの教育効果を発揮するわけだ。

しかしながら、リーダーと部下が同じ空間を共有しておらず、Webミーティング等以外では顔を合わせてコミュニケーションをとる機会が希薄となる「在宅勤務」では、このような教育機能が果たされない。これが「在宅勤務」という勤務スタイルに内在する、人材教育上の大きなウィークポイントだろう。

リーダーの日々の言動と行動は「組織風土・企業文化」を醸成する

「リーダーの日々の言動と行動」は、部下の言動に多大な影響を与える。これを換言すれば、「リーダーの言動と行動」が「部下の習慣を変える」ことを意味する。多くの「部下の習慣」が変化すれば、その習慣は「組織の風土」となる。つまり、「リーダーの日々の好ましい言動と行動」は、「好ましい組織風土・企業文化の醸成」に結び付くわけである。「組織風土・企業文化を醸成する」という視点で考えた場合、上司と部下が同一の空間を共有しない「在宅勤務」は、職場に出勤し勤務する「通常勤務」を完全には代替できないということになるだろう。

「好ましい組織風土・企業文化」は、企業が持続的成長を遂げる上で不可欠な要素である。「在宅でも同等の仕事ができる」、「在宅勤務はコスト削減効果が大きい」などの短期的・顕在的メリットばかりに着目することなく、組織活動における「リーダーの機能」と「役割」についても、企業側はいま一度確認していただきたい。


大須賀信敬
コンサルティングハウス プライオ 代表
組織人事コンサルタント・中小企業診断士・特定社会保険労務士

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 経営プロ編集部

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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