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Q12を活かすマネジメント

Q6:部下の強みにフォーカスし、自信をもたせる

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米国のギャラップ社による、生産的な職場を生み出す指標「Q12(キュー・トゥエルブ)」。シリーズ第6回目の今回は、Q6について考えてみよう。

Q6.職場のだれかが自分の成長を促してくれる。
There is someone at work who encourages my development. (Help me grow)


これまでも部下をよく観察し、弱みよりも強みにフォーカスする、というテーマが繰り返し出てきた。今回は、より部下育成の本質ともいえる部分に焦点を当てる。

成長とは、強みをより伸ばすこと

・完全無欠な人間はいない
・だれしも、得意・不得意、弱み・強みを持っている
・能力にでこぼこがあるのが人間だとも言える

さて、成長するというのは、どういうことだろうか。

部下の育成方法がよくわかっていない上司は、部下が自分の弱い部分を克服するために努力し、ほかの人との格差を縮めることを成長と考える。
そう考えると、上司のやるべきことは、部下の弱み、苦手な部分に関して明確なフィードバックを与えることである。

これを部下の立場から見ると、上司が自分のダメな部分にいつも着目し、その点を何度も注意してくることになる。がんばって上司の期待に応え、苦手な部分を克服しても、結果はほかの人と横並びになるだけ。マイナスがゼロになるだけだ。

もちろん、それも成長といえば成長だが、その過程に果たして喜びがあるだろうか。毎日職場に来て、上司の小言にうんざりしつつ、苦手なことに取り組む。まったく、楽しくない。がんばっても、成果もぱっとしない。

それに対して、Q6で高得点をとれる上司は、成長とは部下の強みを最大限に活かし、伸ばすことだと考える。

部下が自分に唯々諾々と従うことを望む上司は、部下が自信過剰になり傲慢になることを恐れるが、優れた上司はそこをまったく気にしない。自分に自信がなく、すぐに落ち込んでしまう部下より、自信過剰なくらいなほうが、障害にぶち当たったときに粘り強く、立ち直りも早いことを知っているからだ。自信過剰な部下は、うまくいかないことがあっても「なんらかの要因でちょっとつまずいてしまったが、自分の能力でこれができないわけがない」と考えるものだ。

そうなると、上司がやるべきことは、部下が抱く自分の強みについての自信をより増大させ、その強みを最も伸ばす方法を考えさせることだ。それが思い込みでもいい。現実的にそれほどの能力でなくても、そんな現実を見せることで部下が萎縮するのであれば、思い込みを後押しするほうがよいのだ。

自信を育んでから目標を大きく、高く設定する

では、そうやって上司が強みを評価し、自信をもたせた結果、自信過剰になった部下が仕事を侮り、全力投球しないようになった場合どうしたらよいのだろうか。

弱みに着目したフィードバックをして、それをなんとかしよう、という方向づけは、部下が自信を喪失するだけで成果には結びつかない。

そういうときにこそ、目標を大きく、高くするべきだ。

逆に言うと、ある程度部下に自信をもたせ、精神的な強さを養った後でこそ、背伸びした目標が効果を発揮するのだ。

部下に目標と、仕事の意味を詳しく説明し、その目標がいかに困難であるかを強調する。そして「君だからこそ、この目標を与えたのだ」という期待を語る。

つまり、目標達成の難しさについては現実的な認識をしっかりと持ち、自分の能力については楽観的に考えるよう部下を育成するのだ。

そうすると、部下は上司が自分の成長について強く関与し、自分の能力を伸ばそうとしているのだという実感を得ることができる。

もちろん、得意なことをやるのだから、仕事も楽しいし、成果も出やすい。

ここで一つ注意しなくてはならないのは、部下が難しい仕事をうまくこなしたときの褒め方である。仕事に取り組む姿勢や努力を褒めるよりも、部下特有の強みが仕事の成功に大きな役割を果たしたのだ、と語るべきだ。実際は他の外部要因で成功したのであっても、強みを評価してまずいことは何もない。

もっとも、そんなに簡単にうまくいくときばかりではない。難しい目標を与えたときに、部下が失敗したら、どのように指導したらよいのだろうか。

ここでこそ、部下の努力不足を指摘する必要がある。能力がないから、ではなく、君の能力ならできるはずのことだから、努力が足りなかったのだ、ともっていく。部下自身がコントロールできない外部要因があったのだとしても、そこは強調せず、自分自身の努力や工夫に目を向けさせ、自信喪失を避けるようにしよう。

李怜香(り れいか)
メンタルサポートろうむ 代表
社会保険労務士/ハラスメント防止コンサルタント/産業カウンセラー/健康経営エキスパートアドバイザー

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プロフィール

 経営プロ編集部

経営プロ編集部

経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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