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ゲームを使って後継者を育成する

第2回  これができないと会社がコケる!? 後継者育成の盲点とは?

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経営側に足を踏み入れた際に何を行うべきか

経営側に足を踏み入れた際に何を行うべきか

 管理職への昇進とは、経営側に足を一歩踏み入れることだ。しかし経営側と従業員側では、考え方が異なるため、管理職昇進時には管理職研修を実施したり、管理職を対象に定期的に管理職研修を実施したりしている会社が大多数である。

 管理職と一般社員の違いとは何だろうか。正解のない問いかもしれない。なぜなら管理職研修は管理職と一般社員の差分を埋めるために実施するために行われるが、その差分の定義は企業によって違うからである。よって、管理職研修の内容も千差万別である。例えば、管理職研修の内容が労務管理やコンプライアンスなどだけのこともあれば、部下育成、目標管理制度などの評価制度の仕組みの理解、財務会計や管理会計などを行うこともあるし、時には、会社の理念やビジョンを改めて考えることもある。日数だけをとっても、1~2日程度の会社もあれば、1ヶ月程度かけることもある。

意思決定力が後継者育成の盲点である

 私は、企業の管理職研修に欠落しているもの、つまり研修では埋まらない管理職と一般社員の差分は「意思決定」だと考えている。管理職になると裁量が大きくなり、自己の判断で意思決定できることが増えるが、それを適切に行うための研修が行われていないのだ。

 意思決定研修と呼べるような研修を実施している事例は、私の知る限り少ない。研修会社のラインナップには、意思決定の研修がなくはないが、お問合わせがほぼない「不人気コース」だという。意思決定研修への関心が薄いのはなぜだろう。意思決定力が既に備わっているからだろうか。優先度が低いからだろうか。

 先日、管理職選抜の「ヒューマンアセスメント」を扱う友人と意思決定について話をした。管理職候補を対象にしたヒューマンアセスメントでは、量的・質的に管理職候補の管理職適性がデータ化される。その実施結果を見ると、「実行」に優れる一方で、「判断」「決断」の弱さが顕著だとのことだった。意思決定はやはり管理職の弱みであり、対処すべきなのである。

意思決定をなぜ学ばなければならないのか?

 私たちは、朝起きてから眠るまでに何度も意思決定を行っている。例えば、朝食の献立という生活上の意思決定もあれば、会議に参加せずに緊急度の高い資料作成を行うべきか、自分が発見した新しい事実を上申すべきかなど、ビジネス上の意思決定も多々ある。

 実は「意思決定が日常的なこと」こそが「学ぶ必要がない」と考えられがちな理由ではないだろうか。意思決定は毎日行うから「できるのが当然」と考えられてしまう。これは、「文章を毎日書くから、あえて文章作成を学ぶ必要はない」とか「コミュニケーションは毎日行うから、あえて学ぶ必要はない」という論理と似ている。しかし、毎日行うことと、その質が高いことは必ずしもイコールではなく、毎日行うから必要がないと考えてはいけない。毎日のことだからこそその質が重要なのである。

 ドイツの社会学者のマックスウェーバーは、意思決定を4つに類型化している。そのうち3つは学ばなくてもできるものだが、最も重要な1つは必要があるにも関わらず学ばれていない。それを説明するのに先んじて3つの類型を説明しよう。

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