ゲームは長期間かかる育成を1日で成し遂げるからこそ「異質」
どのように異質なのかを説明しよう。例えば、実務でマーケティングのPDCAサイクルを回し、勘所が理解できるまでにどのくらいかかるだろうか。
1年?
いや、下手をすると数年かかるかもしれない。
ゲームだったらどうだろうか。例えば、博報堂コンサルテイングでは、「マーケティングJAM」というマーケティングをテーマにしたゲームを提供している。そのゲームではマーケティング活動のPDCAサイクルを何度も繰り返すことになる。これはつまり、架空とはいえ、数年間実務に従事したのと同じ経験を積むことである。これが「経営活動の高速体験」と呼ばれるゲーム学習の主要な効果の一つである。仕事の場面でPDCAを「1度」回した人材と、架空の場面で、PDCAを「繰り返し」回した人材とを比べると、繰り返した方が練度が高そうなことは察しがつくだろう。
海外のMBAでは、ケーススタディを浴びるように実施するという。それは架空の経験をシャワーのように浴びることが効果的だから実施されているのである。ゲームを社員に経験させることは、数年の実務経験と比べ、遥かに「短い」数時間であるにも関わらず、実力がつく「美味しい」投資であるが故に「異質」なのだ。
1年?
いや、下手をすると数年かかるかもしれない。
ゲームだったらどうだろうか。例えば、博報堂コンサルテイングでは、「マーケティングJAM」というマーケティングをテーマにしたゲームを提供している。そのゲームではマーケティング活動のPDCAサイクルを何度も繰り返すことになる。これはつまり、架空とはいえ、数年間実務に従事したのと同じ経験を積むことである。これが「経営活動の高速体験」と呼ばれるゲーム学習の主要な効果の一つである。仕事の場面でPDCAを「1度」回した人材と、架空の場面で、PDCAを「繰り返し」回した人材とを比べると、繰り返した方が練度が高そうなことは察しがつくだろう。
海外のMBAでは、ケーススタディを浴びるように実施するという。それは架空の経験をシャワーのように浴びることが効果的だから実施されているのである。ゲームを社員に経験させることは、数年の実務経験と比べ、遥かに「短い」数時間であるにも関わらず、実力がつく「美味しい」投資であるが故に「異質」なのだ。
ゲーム研修には即効性がある
マッキンゼーで人事マネジャーをしていた伊賀泰代氏は、書籍「生産性」の中で、外資系企業の特徴として「在籍期間が短い外資系企業では、研修には参加直後から業務の生産性を上げるという即効性が求められる。」と述べ、その中でも印象に残った事例として、コンピュータを使ったRPG(ロールプレイング)で「判断」の練習をした昇格準備研修を挙げる。
この研修の中で、マネジャーは「マネジャーの仕事とはトレードオフが存在する状況において判断を下すこと」だと学べるということである。
日本企業では、ゲーム研修は即効性がないものだと思われがちだが、全く逆の視点もあるのである。
この研修の中で、マネジャーは「マネジャーの仕事とはトレードオフが存在する状況において判断を下すこと」だと学べるということである。
日本企業では、ゲーム研修は即効性がないものだと思われがちだが、全く逆の視点もあるのである。
架空の人生をゲームで経験すればプロ経営者に成長できる
優秀な人材は、実務で体験と内省を繰り返し、自分の血や肉に変えていく。こうした人材は、ゲーム研修での体験と内省から学び取り、経営の各局面を俯瞰し、各局面で妥当な意思決定ができるプロ経営者に成長していく。
御社の後継者候補をプロ経営者にしたいかどうかはわからないが、三枝匡氏の「ザ・会社改造(2016)」には、プロ経営者について以下のように記載されている。
ゲームを繰り返すことで、擬似的経営体験を豊富に積める。様々な環境(ルール)で最適な打ち手を考え続ける経験は、普遍的な経営スキルの獲得に繋がる。それがひいては、これまでに経験したことがない新規事業や海外事業、プロジェクトでの活躍につながり、その成功体験が、経営者としての道に連鎖していくのではないだろうか。
ゲーム研修で学習した参加者にとって、現実の経営は「いつか来た道」に見える。後継者を最短で育成するたった一つの方法とは「ゲーム」なのである。
御社の後継者候補をプロ経営者にしたいかどうかはわからないが、三枝匡氏の「ザ・会社改造(2016)」には、プロ経営者について以下のように記載されている。
“有名なカリスマ経営者と呼ばれる人でも、「プロ経営者」とは限らない。ひとつの会社の経験だけなら、「その会社の経営者」にすぎず、そこでしか通用しない経営をしているのかもしれない。プロ経営者となれば、業種、規模、組織カルチャーなどの違いを超えて、どこの企業に行っても通じる「汎用的な」経営スキル、戦略能力、企業家マインドを蓄積している。その裏付けとしてプロ経営者は、過去に修羅場を含む「豊富な経営経験」を積んでいる。難しい状況に直面しても、これは「いつか来た道」「いつか見た景色」だと平然としていられる。”
ゲームを繰り返すことで、擬似的経営体験を豊富に積める。様々な環境(ルール)で最適な打ち手を考え続ける経験は、普遍的な経営スキルの獲得に繋がる。それがひいては、これまでに経験したことがない新規事業や海外事業、プロジェクトでの活躍につながり、その成功体験が、経営者としての道に連鎖していくのではないだろうか。
ゲーム研修で学習した参加者にとって、現実の経営は「いつか来た道」に見える。後継者を最短で育成するたった一つの方法とは「ゲーム」なのである。
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