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ゲームを使って後継者を育成する

第7回  後継者候補のプールを作るには実は研修の○○○○が肝だった

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御社の後継者候補は、ホンモノだろうか?

御社の後継者候補は、ホンモノだろうか?

 後継者候補の選抜では「これまでの業績」が重要な要件の一つとなる。特に、偶然ではない安定した業績があることが大切だ。となると、後継者候補のプールに豊富に人材を確保したいなら、その基礎となる安定した好業績者を大勢作れば良い。
 「うちの会社はベテランが多いから大丈夫」と思うかもしれない。ただ、ベテランだからといって、好業績者とは限らない。経験学習の研究によると、複雑な業務では、業務経験年数と業績は一定の年次を超えると相関しないことが明らかになっている。はて、安定して業績の良い社員は何をしているのだろうか。
 第1回「最短で後継者を育成するたったひとつの方法」で「優秀な人材は、実務で体験と内省を繰り返し、自分の血や肉に変えていく。こうした人材は、ゲーム研修での体験と内省から学び取り、経営の各局面を俯瞰し、各局面で妥当な意思決定ができるプロ経営者に成長していく」と書いた。経験学習の研究によると、挑戦と内省(=振り返り)が業績の鍵だと実証されている。どの社員を後継者へのファストトラックに乗せるべきかに悩んだら、挑戦とその振り返りの習慣のある「ホンモノ」を乗せると良い。
 後継者育成では「修羅場体験」と呼ばれる挑戦の場が重視される。ただ、修羅場体験だけでは十分ではない。「体験しただけでは学びにつながらない」と教育学者のデューイはいう。体験は、振り返らない限り忘れ去られる運命にある。人は忘れる生き物だからだ。デューイは、「体験した上で、その結果をきちんと振り返ること(=内省)で体験は経験になり学びにつながる」という。つまり、「体験+内省=経験」なのである。

ゲーム研修の本体は「振り返り」である

 ゲーム研修の話題に戻ろう。ゲーム研修というと、ゲームだけをするものだという誤解もあるようだが、ゲーム研修の本体は実は振り返りである。

 講師が一方的に解説したり、正しいやり方(例えば、簿記の記帳の仕方など)を後から教えたりすることを振り返りだと思っている方も多いが、これは単なるレクチャーであるばかりか、参加者のゲーム中の努力を軽んじる悪手である。振り返りは「メンタルモデルを作って一般化すること」と定義される。例えば、ゲーム実施後に振り返りを行い、参加者が教わらずに「この局面ではこのように振る舞うべきだ」と持論が作り上げられた状態が望ましい状態であり、当社のゲーム研修ではそれを目指している。

成果が出せたら優秀なのか?

 本コラムでは、意思決定について紙面の大半を割いてきた。意思決定と振り返りには密接なつながりがある。振り返りを通じて、意思決定の根拠が明確になりメンタルモデルが作られるからである。業績が良いと優秀だと判断されがちだが、優秀さは業績だけでは分からない。ゲームを話材にこれを解説しよう。

 ゲーム研修では勝敗がつくことが多い。ゲームの勝敗はインパクトが強く、勝者は「勝ったのだから自分は優秀だ」と思いがちだ。これは「成果を出せた自分は優秀だ」という社員の理屈と符合する。しかし、勝敗も成果も絶対的なものではなく、相対的なものだ。ゲームに勝利したことと正しい思考プロセスをしたことは同義ではない。

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