経営・ビジネスの課題解決メディア「経営プロ」

理念浸透で成果があがる組織と低迷する組織の違い

第6回  行動が伴わない部下への目標の持たせ方

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

行動が伴わない部下への目標設定をいかにするか?

 それでは、行動が伴わない部下に対してどのように目標設定していけばよいでしょうか? 「理念浸透」などに取り組むと、大きな目的・目標の達成に向けて、全社目標、組織目標、個人目標へと落とし込むことが是とされていますが、この場合は別のアプローチをとります。
 そのアプローチとは、日々の些細な目標を達成させることを支援することです。例えば、「今、何が飲みたい?」、「お昼に何が食べたい?」、「今日は何時に帰りたい?」、「これはいつまでに終わらせたい?」、「これはどんな風に仕上げたい?」など、本人がすぐにできそうなことの達成を支援します。
 紹介した目標を経営者やリーダーの目から見ると、「なぜそんなこともできないのか?」と思われるかもしれません。しかし、「人に合わせることが善」と教えられ育つ私たちの多くは、「自分がどうしたいのか?」が意外とわかっていません。
 例えば、職場で「今日、ランチ何にする?」と聞かれたとき「何でもいいよ」と答える人は多いのではないでしょうか。このようなことが、1日の中で何回もあります。つまり、自分の意思を持って行動する場面が極端に少ないのです。
 そのため、日常の些細な場面の中で、意思を表し、そして行動に移していきます。
 すると、「やりたいと思ったこと」→「行動」→「結果」がつながり、それを積み重ねていくと、目標に対するイメージがネガティブなものでなくなっていきます。目標に対するイメージが変わると、徐々に行動が伴うようになっていきます。そうなると、理念や組織目標に対しても前向きな行動ができるようになります。

 よく管理職研修などでは「部下を信頼し、部下の話をよく聴きなさい」と言われます。
 今回の話をもとにすると、それは実に理に適っているといえます。その理由は、部下も部下の無意識下で何が起こっているかよくわかっていないからです。よくわからないから行動できない。これが理解できていると、部下への接し方も変えられるのではないでしょうか。
 
 部下それぞれの、些細ともいえる目標を大事にすることが、もしかしたら大きな目標達成の近道かもしれません。

 2017年がよい年となりますようお祈りしております。

お気に入りに登録

プロフィール

Six Stars Consulting株式会社 代表取締役 原田 由美子 氏

Six Stars Consulting株式会社 代表取締役 原田 由美子 氏

大学卒業後、大手生命保険会社を経て、1995年より人材育成コンサルティング会社に勤務。
2000年 人材育成コンサルティング会社起業に参画。営業統括取締役に就任。
2006年 組織の将来を担うリーダーを育成するには、30代から計画的・継続的に取り組む必要性を感じたことから、リーダー育成に力を入れるコンサルティング会社を設立。同社代表に就任。
2015年 人材開発情報誌「企業と人材」にて「新任担当者のための人材育成の考え方と進め方」連載担当。
現在は、商工会議所や企業内研修での「リーダーシップ」講座、自社主催セミナー「人材育成担当者のための理念浸透~インナー・ブランディング~の進め方」などで活躍中。
「共育を通じ、社内から社会へ、笑顔と価値を届ける」ことができる人材育成を信条に取り組む。

関連記事

会員登録 / ログイン

会員登録すると会員限定機能や各種特典がご利用いただけます。 新規会員登録

会員ログインの方はこちら