
【世界に通用するリーダーをつくる】では、これまで8回の連載を通じて、日本のリーダー育成の抱える問題、世界で活躍するリーダーと日本のリーダーの違い、組織内でのリーダーシップの理解の共有、日本の組織と日本人の強みを活かすこと、について考えてきました。最終回は、グローバルのビジネスシーンでも十分に通用する真のリーダーシップを発揮できるリーダーを育てるために、経営者および組織に属する一人ひとりがなすべきことについてまとめてみます。
1. 「人を育てる」=「全員をリーダーにする」
経営者が取り組むべき第一のポイントは、リーダーシップを日々の職場で自然に語られ使われるものと考えることだ。これまで様々な角度から考えてきたように、リーダーシップは組織の長のみに求められる特別なものではなく、また限られた人だけが持つ天性のものでもない。Eメールやインターネットと同じように、日々の仕事において誰もが身につけられる、そして誰であっても必要とされるものとしてリーダーシップを浸透させることが重要だ。組織においてリーダーとフォロワーを固定した役割と考えるのでなく、全員がリーダーになるのだ。
これは組織の生き残りや持続性のある発展という点でも大きな意味がある。つまり日々の仕事において常に変化に適応するためのリーダーシップが全員のものになったとき、それが同時に将来に向けて経営者となりうる候補者を発掘し、チャレンジさせることでその能力を開発し確実に後継者を育てていくことをも可能にするのである。
「人を育てる」ことが経営者の使命とするならば、その意味を掘り下げてみたときに、私はこれを「全員のリーダーシップを引き出すこと」であると考えたい。「人を育てる」ことを「全員をリーダーにする」という形で実践することが、組織にとってもメンバーにとってもプラスに働くのだ。
これは組織の生き残りや持続性のある発展という点でも大きな意味がある。つまり日々の仕事において常に変化に適応するためのリーダーシップが全員のものになったとき、それが同時に将来に向けて経営者となりうる候補者を発掘し、チャレンジさせることでその能力を開発し確実に後継者を育てていくことをも可能にするのである。
「人を育てる」ことが経営者の使命とするならば、その意味を掘り下げてみたときに、私はこれを「全員のリーダーシップを引き出すこと」であると考えたい。「人を育てる」ことを「全員をリーダーにする」という形で実践することが、組織にとってもメンバーにとってもプラスに働くのだ。
2. 世界と日本を区別せず、多様性を尊重する
第二のポイントは、リーダーシップに国境がないという考えを浸透させることだ。今日のビジネスにおいてグローバル化は特別なことではない。世界全体を市場ととらえて事業を推進する企業においては、海外の拠点で現地の社員が中心となってビジネスを進めることはもちろん、社員同士が国境を越えて協働することも日常化している。日本国内の職場は日本人だけという状態も、すでに変わりつつある。そうした組織のグローバル化が進む中で、リーダーシップの理解を浸透させ、育て、発揮させるという課題について、日本と海外を分けて考えることは全く意味がない。「世界に通用するリーダーをつくる」ことは「真のリーダーシップを発揮できる人をつくる」ことに他ならないという理由がここにあるのだ。
日本の社会の同質性や終身雇用を前提とする日本の大企業の多様性に乏しい文化は、真のリーダーシップを育てる上で日本人を不利な立場においていることは間違いない。私たちはこのことを十分認識したうえで、性別や国籍にとどまらず一人ひとりが個性をもった違う存在であると認めることを重要視し、組織の全員がこれを尊重する形で日々の仕事の進め方を決めマネジメントを遂行することが求められる。
真のリーダーシップを育むために、多様性を尊重することが欠かせないのだ。
日本の社会の同質性や終身雇用を前提とする日本の大企業の多様性に乏しい文化は、真のリーダーシップを育てる上で日本人を不利な立場においていることは間違いない。私たちはこのことを十分認識したうえで、性別や国籍にとどまらず一人ひとりが個性をもった違う存在であると認めることを重要視し、組織の全員がこれを尊重する形で日々の仕事の進め方を決めマネジメントを遂行することが求められる。
真のリーダーシップを育むために、多様性を尊重することが欠かせないのだ。
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