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世界に通用するリーダーをつくる

第7回  マネジャーに「リーダーを育てる」「変革を進める」という2つの課題を同時に与える

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2.変革を進めることによりリーダーを育てる

 ハイフェッツ氏は、適応を要する問題を技術的に取扱ってしまうことによって、より難しい問題が引き起こされると警告している。これはリーダーを育てられないということにとどまらない深刻な問題である。

 日本の企業には大きな転換が求められている。下図を参照してほしい。ビジネス上の課題に対して、適応を要する問題と技術的な問題に明確に切り分ける。それぞれに対してリーダーシップのスタイルを変えることによって組織に変革をもたらし、これまで得意としてきた技術的な問題に対処する一方、適応を要する問題に対応する力をつける。この転換が上記で述べた真のリーダーシップ醸成の二つの課題、すなわちチームのメンバーのリーダーシップを鍛える点、さらに現在のリーダー自身に新しいスタイルを身につける機会を与えるという点で効果をもたらすはずである。
 すなわちマネジャーは多様化する課題に対応するために自らのリーダーシップスタイルを刷新し、新しい組織の可能性を引き出すことで変革を進めながら、同時にリーダーを育てることにも取り組まなければならないのだ。
2.変革を進めることによりリーダーを育てる

*1:経団連による報告書「ミドルマネジャーをめぐる現状課題と求められる対応」(2012年5月)より

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プロフィール

株式会社フィリップスエレクトロニクスジャパン 人事本部長 水上 雅人 氏

株式会社フィリップスエレクトロニクスジャパン 人事本部長 水上 雅人 氏

1984年関西学院大学経済学部卒業。同年よりレンゴー株式会社にて人事部、米国駐在、海外業務部を歴任。その後、日本トイザラス株式会社人事部マネジャーを経て1998年日本エリクソン株式会社に入社し、2002年人事部長に就任。組織再構築を中心にビジネスに軸を置いた人事施策の立案と実行に注力。2011年住友スリーエム株式会社入社、人事本部人事ビジネスパートナー部長就任。2012年12月に株式会社フィリップスエレクトロニクスジャパン人事本部長に就任し、組織の変革とビジネスを支える人事施策の推進・実行に取り組む。

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