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人と組織が活きる経営判断

第1回  需要創造型経営と人材育成

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 現在の市場環境で、われわれ経営者が業績成果を上げ続けていこうとすれば、新たな価値(サービス・商品)の創造に挑戦し続けなければなりません。
 そして、新たな価値(サービス・商品)を創造し続けるためには、情報を活用し、市場ニーズの仮説を立て、検証しながら、新たな価値(サービス・商品)の当たりをつけていくことが必要となります。
 この新たな価値(サービス・商品)を創造し続ける経営を、ジェックでは「需要創造型経営」と呼んでいます。
 この需要創造型経営を実践していけば、どのような能力が必要になり、磨かれるのかをまとめてみます。
 需要創造型経営の要点は以下のとおりです。
(1)環境変化を洞察して、目的・意味・ありたい姿を構築し、未来構想を個人と組織で統合する。
(2)何に貢献するかの的を絞り、需要創造型戦略・体制を作る。
(3)継続的に需要創造ができる仕組みを作り、顧客価値を創造する。
(4)提供価値の信頼レベルを上げ、需要創造ができる個と組織の独自能力を開発する。
(5)経営資源の成果・進化を管理する。

 
 これらを実現するためには、次のような能力が必要となります。
①自分や自社が、社会や市場に対して、本業を通じてどのような貢献ができるかを考え、可視化する能力
②自分の価値観と組織の理念やビジョンを統合し、自分で自分を動機付ける能力
③自分や組織の中にある経営資源の強みを活用して、何に貢献するのかを意志決定する能力
④組織の総合力を引き出す能力
⑤自分と組織の戦略的思考の能力
⑥自己組織化能力
⑦自分と組織の情報活用能力
⑧多様な価値観との共創型のコミュニケーション能力
⑨自分と組織のコンセプト思考やコンセプト統合能力
⑩チームで知恵を開発するファシリテーション能力
⑪自分と組織のモラル意識を高め、自らのメンタルヘルスを良好にする能力
⑫自分と組織の専門的技能を磨く能力
⑬内省的実践家としてメタ認知を強化する能力
⑭自分と組織の成果に対する進捗や成果物の共有化など、経営資源を活用する能力

 さらに、能力を強化するためには、能力に対する考え方(能力観)を、「一人ひとりには、自分も他人も気づいていない創造的能力がある」「一人ひとりは、かけがえのない独自の能力を持っている」「組織で取り組めば、個人をしのぐ能力が発揮される」といった、能力に対して肯定的な考え方に立つことが必要となります。
逆に、「能力とは学力(暗記力)のこと」「自分や他人の能力は現在発揮している以上には無い」と言う考え方に立っていれば、創造的能力を開発できなくなる確率は高くなることでしょう。
 つまり、肯定的な能力観に立ったセルフマネジメントができるようなリーダーシップにしていくことが、必要不可欠な要因となるのです。

まとめ

 われわれ経営者は、大震災以降、市場の価値観が確実に変化し、新たな価値を作る以外に業績成果を上げ続ける方法は限られていることを知っています。
 しかし、新たな価値(サービス・商品)を作り続けるには、「生命にとっての安心・安全と、精神的・物質的豊かさ」を両立させる知恵が必要となり、それを実現するには、創造的な人と組織が必要になります。
 これは、需要創造型経営に取り組むことで、業績成果とモラルを土台にした人材の能力向上とを同時に向上させることを意味します。
 そして、肯定的能力観にたったセルフマネジメントをできるようにするリーダーシップが鍵となるのです。

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プロフィール

株式会社ジェック 代表取締役社長 葛西 浩平 氏

株式会社ジェック 代表取締役社長 葛西 浩平 氏

1953年 大阪府生まれ。1985年株式会社ジェックに入社。名古屋営業所長、大阪支社長を経て、1998年取締役就任。「CPM経営(お役立ち道に立脚した需要創造型実践理念経営)手法」の開発に従事し、2000年常務取締役を経て、2009年代表取締役社長就任。

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