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社員の強みを活かすタレントマネジメントの本質

第11回  タレントマネジメントの実現 前編

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ベンダー設定のポイント

 タレントマネジメント製品を導入する際や、導入した後の運用管理の際、製品を取り扱うベンダー選びは重要です。ベンダーとの付き合いは長くなるため、その選定も慎重に行う必要があります。
 ベンダーの評価項目としては、まず、能力、実績、規模の3点から見ていきます。

■能力の評価
 プロジェクト管理能力、プロジェクト担当者(プロジェクトマネージャ、エンジニア等)のプロフィール、運用管理のサービス内容(サービスレベル)、製品トレーニング内容・講師のプロフィール、サービスレベル(レベルごとの内容)
・プロジェクト管理の手法、ツールも確認しておきます。ベンダーに標準化された管理手法やツールがあるか、それはどのような内容なのか、といった項目です。もしこれらがなければ、プロジェクト担当者の能力に完全に依存することになり、実力のある担当者が担当してくれればいいのですが、そうでない場合は高いリスクを背負うことになります。
・プロジェクト担当者(プロジェクト・マネージャ、エンジニア、トレーニング講師など)のプロフィールの提出を依頼しておきます。この中には、出身大学・専攻、入社年月日、職務経歴、プロジェクトでの役割とその内容、主な実績、得意とする業界、得意とする手法・ツールなどを文章化してもらうようにします。
・サービスレベルの内容と費用も検討材料となります。サービスに対して適正な料金であるか確認します。
・上記の3点は、ベンダーからの提出資料のひとつとして、PFRに予め記載しておくとよいでしょう。

■実績の評価
 タレントマネジメント製品の販売開始日、導入実績(企業名)、平均的なプロジェクト期間、プロジェクト体制、人事の専門家の有無、エンジニアの数とプロフィール、サポート実績

■規模の評価
 企業規模、サービス体制、拠点数と拠点場所

 これらの3つの項目について、それぞれ評価を実施し、総合得点の最も高いベンダーに絞ります。特に、ベンダーの担当者のプロフィールを要求するのをためらう企業がありますが、その必要性は全くありません。履歴書のような情報が含まれますが、生年月日や現住所、連絡先などは求めてはいけません。

 これでタレントマネジメント製品とそのベンダーが決まりました。

 次回は、タレントマネジメントの実現の後半について、具体的な製品の構築方法について紹介します。

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プロフィール

戦略人財コンサルタント代表 社会保険労務士 鬼本 昌樹 氏

戦略人財コンサルタント代表 社会保険労務士 鬼本 昌樹 氏

25年以上のIT、人事、経営の現場経験を通して独立。
オラクル、GEキャピタル、商社、大手通販などの米国企業、日本企業で人材開発部長、人事部長、役員、副社長を経験し、変革のリーダーとして、組織改革、制度改革、意識改革、人事部変革に貢献し、ベストマネジメント・アワードなどを受賞する。

現在、人事コンサルタントとして、
・タレントマネジメント
・パフォーマンスマネジメント
・デベロップメントマネジメント
を強みとする。
さらに、米国で、行動心理学をマスターし、人が動く仕組み作り、マネジメント作り、そして、人作りに貢献している。日本企業、外資系企業、業界、規模を問わず、幅広くコンサルティング活動を行っている。

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