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社員の強みを活かすタレントマネジメントの本質

第10回  人事部の変革

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“ありたい姿”を設定してからスタートを決める

 先ほども述べましたが変革を起こす場合は、3年後の“ありたい姿”を明確に設定します。この目標が設定できれば、そこに向かってのプランを検討します。その際、年度毎の状態も設定し、簡単なロードマップを検討しておきます。
 先の表では、戦略的パートナーの役割のポートフォリオから、変革する機能に対する対応を検討しました。次はAと設定した項目の実業務を見直さなければなりません。その時とても重要なのが、人事部と現場との“共通言語”です。
 いくら人事部が戦略的パートナーとなりたいと思っても、現場の管理職から戦略的パートナーとして認められなければ、良きビジネスパートナーとして機能しないからです。ですからここでは信頼関係の構築も重要です。
 
 戦略的パートナーとしての役割を新たに設置した各項目において、人事が現場を知らないもの、または知っていたとしても不完全なものはないかを確認します。これに該当する項目があれば、人事部は積極的にその現場に入っていくようにします。
 たとえば、先の“年間採用計画策定”で、現在は毎年、各組織の管理職宛に質問票を出し、必要人数やその理由、予定時期などを回答してもらっているとします。変革後の新たな戦略的パートナーは、まず各組織の使命や役割、組織戦略や年間目標、組織課題を理解します。そのうえで現場の管理職と面談し要員増加の必要性などをヒアリングし、悩みや要望を確認していきます。そして会社の採用方針や計画、状況などの説明しながら支援を行うのです。

 戦略的パートナーとなるためには、人事部の根本的な原因を分析し、それを解決しなければなりません。その代表的なものとして、

①現場の管理職や従業員、さらに経営陣とのコミュニケーションの質
②現場の業務と従業員の状況・状態の把握(問題が起こって初めて実態が理解されることも多い)
③経営戦略、組織戦略、事業目標の理解(併せて、理念、ビジョンの再確認)
④各組織の重要課題、緊急課題の把握
⑤現場の業務知識
⑥現場を見る

 これらの対応が、人事部の変革として必要となります。

 次回は、タレントマネジメントの実現について2回に分けて具体的な構築方法を紹介していきます。

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プロフィール

戦略人財コンサルタント代表 社会保険労務士 鬼本 昌樹 氏

戦略人財コンサルタント代表 社会保険労務士 鬼本 昌樹 氏

25年以上のIT、人事、経営の現場経験を通して独立。
オラクル、GEキャピタル、商社、大手通販などの米国企業、日本企業で人材開発部長、人事部長、役員、副社長を経験し、変革のリーダーとして、組織改革、制度改革、意識改革、人事部変革に貢献し、ベストマネジメント・アワードなどを受賞する。

現在、人事コンサルタントとして、
・タレントマネジメント
・パフォーマンスマネジメント
・デベロップメントマネジメント
を強みとする。
さらに、米国で、行動心理学をマスターし、人が動く仕組み作り、マネジメント作り、そして、人作りに貢献している。日本企業、外資系企業、業界、規模を問わず、幅広くコンサルティング活動を行っている。

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