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第9回  日本企業の人事課題

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人事課題をあぶり出す

 最初に、人事部の視点から見た人事課題について確認してみます。
 図1はリクルートワークス研究所のアンケート資料「ワークス人材マネジメント調査2015」です。
 結果の棒グラフには2種類のデータが含まれており、全体の長さが「認識している課題」を、その中のオレンジ色の部分が「重要度」を示しています。
 注目すべきは認識と重要度の差が大きいもので、「メンタルヘルスへの対応」「ワークライフバランスの強化」「教育研修体系の見直し」は、認識と重要性の乖離が目立ちます。
人事課題をあぶり出す

 また、次世代リーダーの育成は、後任の幹部職が選任されていない、されていても育っていない、と言う問題です。広義では部課長の後任者育成も含めてもいいと思います。この課題は10年前のものと大きな変化はしていません。2005年ごろの人事課題には「経営幹部への早期選抜・育成」がありました。表現方法は違いますが、同じ内容です。

 ではなぜ、この課題がなかなか解決できないのでしょうか。

 著者が人事部長を務めていた時、同業他社との人事交流会(研究会や懇親会など)で情報交換して分かったことがありました。それは、経営幹部の手前の部長候補、さらに、課長候補ですら候補が上がっていないということです。経営幹部の候補だけが決まることはなく、課長候補からの連鎖の問題も深刻な状況でした。
 原因のひとつは、候補の選定を人事が現場任せにしていたことにありましたが、そうせざるを得ないという人事部の言い分がありました。その言い分は、人事部の課題として次回の第10回のコラムで解説したいと思います。

 図1での人事課題の一覧は、統計資料ですので、全てが自社の状況と同じとは限りません。そのため、人事部は現状分析をする際、人事に関するあらゆる課題を徹底的にあぶり出ししていかなければなりません。人事部視点、経営視点、現場視点などに分けて課題発見の作業をしていく必要があります。その後の課題の分類においては、人事部門の分類、人事制度の分類、人材に関する分類、組織に関する分類といった大分類で整理をしてみることをお勧めしています。

 では、次の経営視点から見た場合の人事課題について、考えていきます。

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