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社員の強みを活かすタレントマネジメントの本質

第9回  日本企業の人事課題

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 前回は、タレントマネジメント戦略の本質と言える人財マネジメントを、企業におけるマネジメント構造の仕組みと共に理解してみました。 このマネジメント構造における各目的を達成するために、企業が求める人財の確保から、登用、活用、評価、処遇といった機能をいかに整え、各機能が総合的に連結しあって、経営戦略や成長戦略を確実に実現できる人財マネジメントについて熟考してみました。

 今回はタレントマネジメントを構成するもうひとつの重要な機能である、人事に焦点を当てて、まずはその課題から考えてみたいと思います。

タレントマネジメント戦略の立案は人事部の責任

 タレントマネジメントの本質が理解できたとしても、人事部が担う役割や機能の実現は簡単なものではありません。これまでの採用や配置、異動、評価、処遇といった基本的な人事機能のサービス範囲は、国内外の関連グループ企業(特に、連結対象の企業)に及ぶことは避けられません。これまでのような、本社と国内の支社・支店・営業所だけの範囲はもはやありません。さらに、経営と現場のマネージャの戦略的パートナーになることが求められます。タレントマネジメント戦略を実現させるとき、大きな抵抗勢力が、実は人事部であることも珍しくありません。

 人事部がたとえ抵抗しないとしても、人事部がいきなり経営や各事業の戦略的パートナーとなることは簡単なことではありません。
 戦略的パートナーになってもらうためには、まず、ゴールであるタレントマネジメントが実現できた状態を明確に伝え、そこまでのロードマップを伝え、現状分析を行うのが効果的です。ここで現状の人事部、人事機能・制度、さらに、人財マネジメントの現状をしっかりと把握させ、課題を整理させてから、重点課題・緊急課題、組織課題・人材課題という分類で課題の優先順位を決めていきます。
 これらの現状分析は、人事部の役割です。必要に応じて、全世界の連結企業の経営陣や、マネージャ達、現地の人事とのヒアリングも検討した方が良いでしょう。本社の人事だけで勝手に現場を確認せず課題整理したりしないように、また、現場の人事への要望も認識させておく必要もあります。

 人事部門の組織の課題は、次回のテーマとし、今回は人事制度や仕組みなどの課題について2つの違った側面・視点から考えてみたいと思います。

 まずは、日本企業における人事担当者の認識と重要性を統計で確認し、それから経営視点からの人事課題を考えていきます。

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