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社員の強みを活かすタレントマネジメントの本質

第7回  タレントマネジメント戦略の本質 前編

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 前回は、人財マネジメントの本質とは何かを理解しました。高いパフォーマンスを発揮する人物を大切にするだけでは真の人財マネジメントにはなりません。短期の事業戦略は達成できても、中長期的な経営戦略を実現する人物かどうかは分からないからです。 
 また、長期的雇用を前提とした、事業戦略を実現する人物と同時に、企業の成長戦略にもマッチした人物を採用、配置、処遇という総合的で、統合的な人事制度と人財マネジメントの実現が必要であることを理解してきました。

 今回は、タレントマネジメントを実現させるための戦略について前編・後編の2回に分けて説明したいと思います。

 戦略を策定する前にまず、タレントマネジメントを導入する目的、意義を明確にしておく必要があります。さらに人事部の役割についても、新たな役割をどこまで任せるか、経営としての決断が求められます。まず前半では、戦略を立案するための限定条件について説明します。

タレントマネジメントの導入目的を明らかにする

 タレントマネジメント導入の目的とは、企業における人財の在り方を問うものであり、原点となるものです。
 この目的を明確にすることは、単にタレントマネジメントという箱物を導入するのではなく、この仕組みを通して経営者として何を実現させたいのか、なぜ実現させたいのかを明確にすることになります。タレントマネジメントを導入し、構築していくことは人事部の責任ですが、従業員を人財として、どのような価値として経営として活用するのか、それを長期的な視点を持って、将来どのような姿になることを目指しているのかを明確にすることは、経営者の基本的な役割といえます。

 これまで、タレントマネジメントの一般的な意味を、定義などを通して理解することはできました。今度は、これらの仕組みを使って、自社で何を実現したいのかを決めていきます。
 そのためにはまず、経営者としてタレントマネジメントの意味、意義、目的は何か、この仕組みをどのように社内で活かすのか、これを明文化しておく必要があります。さらに、タレントマネジメントを導入し、構築し、運用管理するためには、人事部の役割も見直す必要があります。
 人事部の新たな役割についても、すでに理解してきました。先のタレントマネジメントの導入と同様に、今度は自社の人事部について検討をしなければなりません。人事部にどのような役割を期待しているのかを明確にすることも、経営者の基本的な役割といえます。

人事部の現状確認と分析

 タレントマネジメントの意義と併せて、人事部の新たな役割(あるべき姿)が明文化されたら、次は現状の確認と分析が必要となります。この作業そのものは、人事部に任せます。
 人事部のあるべき姿と現状を比較し、差異を確認します。さらに、人事機能、人事プロセスにおける確認、人事部の要員の能力、経験、価値観、資格、知識などにおいても力量分析をします。力量分析は、要員別の分析となります。

 さらに、SWOT分析による外部環境と内部環境の確認と分析も行います。ここではSWOT分析の詳しい解説は割愛しますが、人事部のあるべき姿を十分に理解したうえで、SWOT分析を行います。人事の取り巻く環境も変化が激しく、それらを漏れなく認識していることも確認します。
 これらの分析を通して、どのような課題があるのかを整理し、重点課題とその施策を検討します。以上をまとめてみると、

Step1 人事部の新たな役割(あるべき姿)を具現化する
Step2 人事部の現状確認(人事機能、人事プロセス)
Step3 人事要員の力量分析を行う
Step4 SWOT分析により、外部環境と内部環境を分析する
Step5 分析結果の課題を整理し、重点課題とその施策を検討する

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